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三年目

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三年目の文章です
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#フィクションとノンフィクションの間

「君のこと好きなんだ」

「君のこと好きなんだ」

らしくもなく、会話で出てきたそのフレーズに、ドギマギした。

…古い言い回しのように、愛だの恋だの言う年でもないと思っているし、業務での意思伝達に手こずったりするので、そういう感情はほぼ芽生えない。

「キミのことすきなんだ」

遠い言葉だ。

正直、(恋愛感情で)人を好きになるって、呪いみたいなものだ。と思っている。
日々、頭の中にその人が住み着いて、なんだか気になって仕方ない。
仕事は集中する

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無題

無題

夜。というか、
安寧はどうして長く続かないんだろう
と思って。

夜じゃなくても、
昼間の時間が止まったような静けさも
好きだ。

自分が流れ出していくような時間
ひとがやってきて
壊れたりもするんだけれども
見えない透明のみずに沈んでいる気がする。

見えないみずに拡散していた自分が
もとに戻る瞬間、音と日常が戻ってくる
無になっている時間もすることはあって
いかん、いかんと元に戻る。

稀薄な

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シグナル

シグナル

この、見えないつながりの向こうに君がいる
指を叩いて、離して、滑らせて
信号を送る

本当は、最初の一言が
いつも思いつかない

昨日の会話を思い出して
指で辿っているうちに
言いたいことを思い出す

「今日は、よく晴れて気持ちよかった」
…返事に困るか。
-シグナレス-

端末を放り出して、寝転んだ
ちょうど良い日差しで、気持ちのいい風を
感じた瞬間、君につながればいいのに

見えない糸を繋いだ

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読んでるだけで、鬱っぽくなるような、文章…って、かけるのかな?とか、

こころのなかにそういうものがあるのと、それを表現するのは違うと思うので、どうなるかわからないですけど、

ネガティブなものを、ネガティブとそのまま、飾らずに出していったらどうなのかなと。

どういったら、いいのかわからないけれど、これちょっとどうにかして下さいって、言われるくらい、くらいことが、書きたい。

どうせ私なんて、と

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こんばんは、こんばんは
#詩みたいななにか  から #フィクションとノンフィクションの間  の更新が多くなったので、マガジンで公開しました。

なんだろう… 色々考えると、それらしいことも書けそうですけど、何何しなきゃーと思って書きたくないので、気ままに公開していきます。

12月の足音

耳をすませば、鈴の音がきこえはしないのだが
何かがやってこようとする、そんな気がする12月

新しく生まれかわる年の前に
何かがたくさん滑りこんでくる

一年を納めるというより
街は騒がしく、私たちを急き立てる

サンタクロースは、今も昔も準備に忙しい
ケーキにチキンにいろんなチラシが舞い込んでくる

お正月はどうするの?
そう言ってくる人や、情報

お正月も仕事です
でもきっと、新しい静かな朝

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さくらの花の咲くころに

#渡辺美里

あの日、突然のつよい風に、一斉に桜が散った時。
「うわー」と呟いた間抜けな表情を見られていたらしい。

「お前はぼーっとしとるけん」
時々そう言われた。同級生の集団が、わりと苦手なこと気付かれていた。
仲のいいクラスだった。それでも、やっぱりズレていて、小さい集団にいるのが楽だった。

ある時、次の授業に遅れそうで、一緒に廊下を走った。
「パンツの見ゆっぞー」
(パンツ?パンツなの?

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