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【国連英検特A級#8】一次対策編③語彙&リーディング

 こんにちは。今回は一次対策編の最後の回、語彙とリーディングです。国連英検特A級ではリーディングであっても結局のところ語彙がわからないと解けない問題がほとんどだったため、この2つの分野については語彙力強化に着目して対策を取ることにしました。そうしたことから今回の記事ではまとめてお話しすることにしました。ですが、目次からご興味のある箇所だけ読んで頂いてももちろん大丈夫です。本日もよろしくお願いいたします。

合言葉はイテレーション (Iteration)

 語彙やリーディングでは優れた単語帳やコンテンツが数多くあるものの、全てをやろうとすると消化しきれないと思ったため、自分で納得して厳選した少数のコンテンツを短いサイクルでとにかく繰り返し、短い期間の間に一つでも多くの単語や記事に触れて記憶に定着させることにしました。

 そこで語彙とリーディングのどちらでも参考にしたのが、この章のタイトルにもある「イテレーション(Iteration)」という概念です。これはITの開発でよく用いられる言葉で、「設計→開発→テスト→改善」の流れを短いサイクルで繰り返し回していく開発手法です。今回はこの手法を取り入れて対策を組み立てました。

<参考サイト>イテレーションとは?

 それでは、次の章から具体的な実践方法を見ていきたいと思います。

語彙対策

使用した教材: 英英英単語・超上級編(ジャパンタイムス&ロゴポート編)

 今回試験対策を始めるまでは実はこの本のことは知らなかったのですが、合格者の多くの方が推薦し、例文が英英辞典を参考にしてネイティブが書き下ろしているので自然という点に惹かれました。当初は他にも2冊ほど入手して一緒に勉強を始めましたが、最終的にはこの単語帳が気に入りこれ1本に絞って勉強しました。

 特にこの単語帳で気に入ったのは、1)音声アプリの使い勝手が良い2)レイアウトが見やすい3)各単語に連番が振ってあり毎日の勉強計画を立てやすいという3つの点です。自分の好みやレベルに合った単語帳を選ぶのが一番大事ですが、「使いやすさ」も重要だと思います。

 また勉強を進めるにつれて自分にはもう少し難易度の高い単語帳も必要であると感じるようにはなりましたが、今回は国連知識と英作文で点を伸ばし、語彙やリーディングについては及第点が取れればOKと考えていたのでこれ以上単語帳は増やしませんでした。

語彙教材の具体的な活用方法

 この本は、各章100語で全10章(計1000語)で構成されています。そこで1章を「1つのサイクル」に見立てて、試験まで以下のようなプロセスで繰り返し実践してきました。

語彙対策でのサイクルの回し方(平日週5x2週間=全10章で一巡)
①朝:毎日1章ずつ音声アプリを聴き、かつ本を見ながら例文をシャドウイング
②夜:同じ章について付属の赤いシート(*)を用いてチェック
③上記②のチェックで覚えてなかった単語に印をつける
④翌日は次の章に進んで①〜③を繰り返す
⑤一冊分を一巡したら、また第1章に戻って①〜④を毎日繰り返す

 平日メインでの学習でしたが、もし時間が取れなかった日にバッファとして確保していた週末の2日間を利用してその週の遅れをリカバリーするようにしました。

 そして試験直前の最後の2週間は、それまで覚えらなかった単語を中心に復習しました。これにより、一定の間隔を置いて一旦忘れてまた試験直前の段階で思い起こすという作業になるので記憶により定着しやすくなりました。

リーディング対策

リーディングで実践したプロセス

 リーディングでは、語彙と違って同じコンテンツ(=記事)を繰り返し読むと言うよりも、以下のようにイテレーションの手法を若干アレンジした形でサイクルを回しました。

リーディング対策でのサイクルの回し方
①同じコンテンツで記事に毎日読む(注:1回目は辞書を引かない)
②知らない語彙をメモする
③上記②でメモした内容を意味や例文を調べる(但し、時間をかけすぎない)
④ノートにまとめた内容を翌週以降毎日少しずつ見直していく

 リーディングの対策では、知らない語句や用語があればもちろん調べるようにはしましたがやりすぎてしまうと時間がかかって他の勉強ができなくなる可能性もあります。そのため重視したのは「調べる単語は必要最小限、その代わりに少しでも多くの記事に触れる」ということでした。

 またリーディング対策で記事を読み進めると上述の単語帳で出会った単語に遭遇することが結構な確率であり、そういった気づきが実際に単語学習のモチベーションアップにもつながっていったことから単語を覚える作業については単語帳で集中的に行うことにしました。

 さらに実際の試験では、単語や語句の意味がわからなくても文脈で類推する力も必要と考え、最初のステップ①では辞書を引かないで最後まで読んで内容を理解することも意識しました。

コンテンツの選び方

 リーディングのコンテンツを選ぶ際は、毎日少しずつでもいいので無理のない範囲で続けられる、すなわち「継続性」を重視しました。また「コスパ」も重視し、無料またはリーズナブルなコストのメディアを優先して選ぶようにしました。

実際に使用したコンテンツ

🟠The New York Times電子版(有料サブスク)

 元々電子版を購読していたThe New York Times(以下、NYT)を主に活用しました。メルマガの設定でニュース速報や毎日のニュースサマリーが届くよう設定し、最新のニュースを把握するようにしました。さらに世界情勢や国連に関する論説記事があれば、それらをチェックしました。購読料も1ヶ月で8ドル(約1000円)程度でこの金額で良質な英文記事に触れることができるのでコスパにも優れていると思います。また購読が難しい場合でも月に一定数の記事や一部メルマガは無料で利用できるものもあるのでチェックだけしてみるのも良いと思います。

🟠Foreign Affairsアプリ(無料分のみ、Google  Play・Apple Storeで入手可能)

 Foreign Affairsは、The Economistと並んで国連英検で出題率が高いと言われるメディアです。当初は両方とも読みたいと思ったのですが、既にNYTの購読も利用していたのでこれ以上購読を増やすのは心理的にも金銭的にも負担になると考えて今回は見送りました。それでも何かしらの記事に触れることができないかと検索してたまたま見つけたのがこのアプリです。実際の冊子と同じ内容の記事が掲載されているのかどうかは定かではないのですが、無料でも少なくとも直近で1ヶ月の記事を読むことができました。そのため特に外交問題の記事はこのアプリを利用しました。またオーディオで聴くこともできるので、家事や運動をしながら聴いたりもしました。

🟠UN News

 これは国連知識対策も兼ねていますが、国連に関する活動をUpdateするNews in Briefは毎日聴くようにしました。実際、こうした国連のニュースの内容が語彙穴埋め問題で出題されることもあったので、普段から国連の活動について英語で理解をするという点では有用でした。

🟠BBCやDWなど欧州メディアのコンテンツ

 NYTのみではどうしても米国の視点からの記事に偏りがちだったため、ヨーロッパのメディア媒体も併せてチェックするようにしました。この中でも特に利用したのがBBCとDWのサイトです。これら2つは音声や動画コンテンツも豊富でサイト同様よく利用しました。

試験結果と振り返り

 比較的難易度が高くなく解きやすい設問4、6、7の語彙問題でそれぞれ8〜10割のスコアを稼ぐことはできたものの、一番読み込みが必要な設問2は10問中5点、またリーディング問題ではあるものの特に難易度の高い語彙が問われる設問5や9では4割程度と苦戦したこともあり、語彙とリーディングの設問全体で6割程度の正解率となりました。

 語彙やリーディングについては前回までの国連知識や英作文の対策と違って「どれくらいの成果があったか」を判定するのは難しいところではあるのですが、今回の対策によってなんとかギリギリで及第点に達することができたのではないかと感じています。ですが、出題される語彙が想像よりもレベルが高く安定したスコアを獲得できなかったので、さらに語彙やリーディングで点数を稼ぐためには、合格者の方もお勧める通り多少キツくなっても「GREレベル」の単語帳もせめて一冊だけでもチェックしておべきだったという反省点は残りました。

 今回で一次対策の記事は以上となります。次回以降は2次試験対策、試験を終えての全体の振り返りなどを順次投稿予定です。本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

【参考】国連英検特A級シリーズ:下記マガジンに全11回分の記事をまとめています

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