元大和証券のトレーダーが仮想通貨トレードしてみた話 vol.2「息子とゲームしてたら暴落していた(前半)」

 こんにちは。Fintertechストラテジーグループの川浪です。

 早速第2回ということで、前回の地味だった考え方・ポジション管理とは大きく変わって、暴落時のポジションの取り方について書いていきたいと思います。なお、前回の記事はこちら。

 最近の仮想通貨市場は派手なニュースと大きな値動きが頻発しています。すくなくともポジティブなニュースだけではないのでトレーディングによる収益機会は増えていると言えそうです。
 ということで、直近私がやったトレードをサンプルにしてみたいと思います。結論から言いますが、このトレードはすごく上手く儲けることができましたというものではないので、あしからず…

6月14日朝9時頃:暴落直前

 この時点で、自分のポジションはBTC50%, BNB50%。なぜこのコインを選んでいるかについては次回以降で書きたいと思いますので、詳細は割愛します。基本的にはBTCが9000ドルまで再度上昇すると予想していたこと、BNBは3月からの自分のポートフォリオの中心と据えていたためです。

6月15日深夜1時頃:BNB暴落に気付く

 息子とゲームをやっていてここまで全くBNBの動きを追っておらず、暴落していることにやっとこさ気付きます。タイトルにも関わらず、ニュースを追えていないとは恥ずかしい限りです…仮想通貨のトレードするなら2時間に一回は相場見ましょう!

図:6/15 深夜1時ごろのCoin360画面キャプチャ
(このサイトは一目でコインの上下がわかるのでお勧めです)

 上図の通り、Coin360でみるとBTCだけ一人勝ちがよくわかります。私のポジションはBTCとBNBを50%ずつ持っているので当然大きく損している状態だと判明しました。ここから、損した分を取り返す作業の始まりです!(トレーダー業を長くやっていたせいか、こういうときは逆に冷静になれます(真顔))

図:BNB/USDT 1時間足 最安値が6/15 1AM頃

 ゲームがひと段落して気付いた時にはBNBは大崩れ。出来高的にはセリングクライマックスの様相だったので今から売ることは諦め、ここから何が起こったかのか調査を開始。3分以内に分かったことが、下記の大きなニュース二つでした。

・仮想通貨取引所大手のバイナンスは6月14日、利用規約を更新し、米国からの個人、法人の顧客のサービス提供を中止すると発表した

 なんと世界最大の市場である米国へのサービス提供をストップ!そしてバイナンスUSをスタートさせるというニュースです。仮想通貨の市場として米国は世界の40%程度を占めてますので、これはBNBにとって大きな材料です。

・フェイスブックは、今月中に正式に仮想通貨プロジェクトについて発表すると見込まれるている。上記の企業は、フェイスブックの仮想通貨を管理するコンソーシアムにそれぞれ約1000万ドル(約10億8000万円)出資

 こちらは6月初旬くらいから話がでていたニュースですが、新しいポイントとしてはVISAやマスターカード、ペイパル、ウーバーなどが支援するということです。

 ここまで調査したのちに考えたシナリオは以下です。

1 FBのニュースにより仮想通貨を購入しようという人(個人・機関投資家とも)は増える。
2 彼らはとりあえず時価総額が大きいBTC買うだろう。
3 バイナンスは米国ユーザーからのアクセスが制限される。その代わりバイナンスUSがサービス提供する。米国の市場規模を考えると収益的にはマイナス。
4 バイナンスUSではバイナンス銘柄といわれる時価総額が小さい銘柄の扱いができないため、BTCか法定通貨ペグトークンに資金が移動するだろう。結果、IEOビジネスにも懸念がでてくるのでは。

 これらのシナリオから自分の基本ポジションが元々の"BTCとBNBを半々でもつ"というものから"BTC100%にする"ということに変更されました。ただし、短期的なトレーディングは別です!ここでBTCをすべてBNBに変えるという行動にでました。大崩れしていたBNBをわざわざ買い増した理由は下記の5点です。

1 30USDというわかりやすい節目があった
2 出来高が急増し、前日比で10%以上下落していた。そして、30USDで下落が止まり反発の様相が見え始めた
3 BNBからBTC100%にするという理由で、お金が動くには時間がかかる
4 バイナンスファンは世界中に多く、CZの人気もあってユーザーが一気に離れるとは予想しくにい(CZのハッキング対応は本当に素晴らしかったです…!)
5 金曜の夜中のため、企業・公的機関からはこれ以上新しいニュースが出にくい

 ここまで考えたところで私の中で、BNBの反発に賭けようということはきまりました。ただし、その賭けは一晩だけ。0.003567と0.0035804の2回に分けてBTC売り・BNB買いを行ったところで、BNBの反発を祈りながら眠りにつきました…

6月15日朝7時頃:歓喜のBNB反発

 前夜、BNB反発に賭けポジションをBNB100%にしたわけですが、その結果はなんとか報われました。以下がBNB/BTCのチャートです。

図:BNB/BTCの5分足グラフ 最安値が6/15 13:15

 7:10に0.003724ですべてのポジションをBTCに変えています(BTC買い・BNB売り)。これは寝る前からやるときめていたことですので、深追いせず、単純な処理作業トレードです。元々、短期的な反発を狙ったトレードで、ポートフォリオの構成としては望んでいるものではないので、このあたりは欲をかかないほうがいいです。
 このトレードのおかげで、BNBの下落による損はなんとか見れる範囲にまで取り返せました(100%取り戻せたわけではないですが良しとして、ここからなんとか週末での巻き返しを誓いってました)。

 ということで前半はここまでです。今回のポイントは下記4つです。

• 仮想通貨は10%以上下落することもあるので、焦らない&受け入れる
• トレードする際には、何を狙うか明確にしておく
• 自分の投資判断について、常に疑う(間違いは潔く認める)
• 自分が最安値で買える、最高値で売れると思わない


 後半ではBNB暴落により失った金額を取り戻すため、更にもがいた姿をお届けする予定です!お楽しみに!


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