Audible(オーディオブック)とクオリア

Amazon Audibleを使い始めました

本を読み上げてくれるオーディオブックSaaSサービスです

80時間ほど利用しましたので感想をまとめます

1. 電車や、車通りの多い大通りでの歩行や自転車にはむかない

2. 上記を除けば、移動しながら読書が進捗するので学習効率があがる

3. 飛ばせない

4. 読むよりも頭に入ってくる。印象付けられる

5. 朗読家という需要に気がつく

6. 聴覚と脳の関係

1. 電車や、車通りの多い大通りでの歩行や自転車にはむかない

これはイヤホンにもよると思います。ノイズキャンセリング能力が高ければ問題ないでしょう。また、片手で耳をおおうことでも解決します

私はノイズキャンセリングイヤホンも所有しているのですが、リモートワークによって慢性的な外耳炎を発症し、インナーイヤーのイヤホンを長時間つけるのが苦痛になっています。
色々探した結果たどり着いたのがSonyのSBH20という、オープンイヤーで外耳にほとんど触れないけど音はしっかり聞こえる不思議なイヤホンを愛用しています。ただしノイズキャンセリング能力は皆無なので、Audibleを電車で聞くときは片手で耳をおおってます

2. 移動しながら読書が進捗するので学習効率があがる

この効果は個人的にはとても強力です。コロナ禍になってから自転車通勤を週の半分くらいしているので、電車のときはできていた車内での勉強ができなくなるのが難点でした。Audibleによって移動時の時間を無駄にせずすごすことができるようになりました
ウォーキングも意識して行っており、ドラクエウォークも大好きなので、歩いてヘルスケアしながらドラクエウォークのウォークモードでレベリングし、耳からAudibleで勉強するという一石三鳥が実現しました

3. 飛ばせない
これは意外と気がついてなかったですが読書であれば、冗長すぎると感じる描写を数行読み飛ばすということが視覚によって可能です。どこまでそれが続くかを目で把握できるからです
一方Audibleでは30秒飛ばしたら場面が切り替わってしまうかもしれず、話についていけなくなります

これは明確に読む行為の利点だと思いますし解決策は現時点みいだせません

4. 読むよりも頭に入ってくる。印象付けられる

Audibleでは朗読家が台詞部分を演じながら読んでくれますので、より感情移入され、印象が強まります。映画やドラマにかなり近いです
原作→映像化のみならず、原作→朗読→映像化という新たな形態があるのだなと。これはリリースタイミングの観点でみるとなかなか面白いです。一世を風靡した原作は映像化されるまで一年以上かかりますが、Audibleはもっと早く、3ヶ月後程度でリリースします。映像化を待つ層にとって、待ち切れず原作を読む以外の選択肢が生まれます。映像化されたときの脚本や監督がどうアレンジしたかも明確にわかるようになるでしょう

5. 朗読家という需要に気がつく

朗読家という需要に気づきました。
私のAudible履歴のうち65時間以上は「三体」という中国作家の長編SF小説の日本語翻訳版ですが、一人の朗読家が65時間以上語り続けている事になります
また、20人を超える登場人物の台詞を一人で演じ分けます。性別や年齢で声色を変えるのです。特に主要人物は声が似ないようにうまく分けていた技術に感心しました。以来私も子供に本を読みきかせるときに少し技術を取り入れるようになりました

6. 聴覚と脳の関係

この観点はまだうまく言語化しきれていないですが、読書が視覚と脳によって処理されるのに対し、朗読は聴覚と脳の処理となります。使い始めてしばらくすると、集中して聴かないと全く内容が頭に入ってこないことに気が付き何分も巻き戻すことになりました
つまり聴覚からのインプット情報量は同じでも脳の聴覚野では無意識に情報を遮断していることになります。外界のノイズと同じ扱いとして自動キャンセリングするのです
意識と無意識の境界、クオリアとして脳科学で研究が今なお絶賛進捗中の分野です
聞き流すという行為において、音楽と朗読は全く効果が違います。こればっかりはやってみるとすぐに実感できるのですが説明は難しいです
とにかく朗読は聞き流しでは全く成立しません、ゆえにシーンが絞られてくるというのもUX的に面白いと思いました

ともあれこれからは紙の本、電子本、オーディオブックと使い分けることで、間違いなくこれまでより読書ライフを充実させることができそうです

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