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祖父の世界を初めて知ったよ

遠い記憶の回想(第3回)


おばさん達から聞いた話では、
父方の祖父は馬馬喰(うまばくろう)だったらしい。
だけど、これまで、ピントこなかった。
本当にそんな仕事が沖縄にあったのかなあ・・・

最近、読んだこの本で疑問が氷解した。
(実は一部分の拾い読みしかできてませんけど)

消えた琉球競馬
Amazon.co.jp: 消えた琉球競馬: 幻の名馬「ヒコ-キ」を追いかけて : 梅崎 晴光: 本

なんと、戦前の沖縄には3万頭以上の馬がいて
県内には約200か所の大小の馬場跡が確認されているそうだ
昭和初期には琉球競馬が最大の娯楽として人気だったのだ。

多分、自分の祖父が馬馬喰だったことが無ければ
書店でこの本を手に取ることもなかったはずだ。
その息子である私の父からも、まったくその様な話は聞いたこともなかった。
これまで、馬とは無縁の人生だったし、
犬や猫さえ触るのは苦手な人間だから。
馬を愛おしそうになでる映像は観たことあるけど想像の及ばない世界です。

祖父は沖縄戦で防衛隊員として招集され首里で死亡したらしい。
父はその時まだ未就学児童だったからあまり記憶がないのかも知れない。

当時は農家がほとんど全部の時代だったけど
昭和恐慌の時にニューヨークへ密航して帰郷した曽祖父のおかげで
当時の集落内では比較的裕福だった様子で
馬馬喰をしていたのかも知れない

琉球競馬は速さでなく美しさを競う競技で
世界的にみても稀有な競馬だったらしい。
名馬ともなれば家一軒が立つほどの貨幣価値があったそうだ。

今の沖縄では、沖縄こどもの国で飼育されている
与那国馬しか、見たことが無いけど
琉球競馬は小型の沖縄在来馬で行われた。
戦争前には陸軍により洋種馬の交配を推進する種馬統制法
により大型馬への品種改良が推進されたらしい。
戦前、戦争、戦後のいろいろな状況から琉球競馬は消滅したのでした。

一時代に隆盛を誇った文化が消滅するのは
めずらしくもなんともないけど
この本に出合って、はじめて祖父の世界を少しだけ想像しました。


投稿の冒頭の白黒写真は名馬の誉れ高かった白馬ヒコーキ




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