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KOZUKA 513 shop paper vol07 2019/12 ~南房総の冬は東北や北海道の冬とはものが違う!という話

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鴨川で2度目の冬が来る
 
去年は金束の近くに家を借りて仮住まいをしていた
窓からの冷気を防ぐために防寒シートを張ったり 一斗缶で焚火をしたり
古民家に残されていた灯油ストーブがありがたかった
瞬間湯沸かし器はなく お風呂の湯沸かし器も壊れていたから
お風呂に入れないと覚悟した日々がしばらく続いた
(屋外に湯沸かし器があってお風呂にお湯が溜められることは後で知った)
鴨川の初めての冬は寒かった
 
だけどやっぱり 南房総の冬はこれまで経験した冬とは違っていた
11月 古民家の周りには水仙が咲きだした
12月 金束から程近い佐久間ダム親水公園では 盛大に水仙まつりが行われていた
冬にこんなに花が咲くなんて
そういえば「南房総では2月はもう春」と聞かされてはいた
房総フラワーラインに様々な花が咲き始める2月
東北や北海道では 2月は極寒ですよ…
 
「冬来りなば春遠からじ」
今まで 何か相当な覚悟というか 悲壮感さえ漂わせて冬を迎えてきた
南房総では何か違うような気がしている
寒い冬は来るのだけれど もしかしたら今年も少しは雪が降るのかもしれないけれど
南房総の冬と春は なんだか斑模様のような 境目が曖昧な そんな気がしている
 
でもやっぱり寒いものは寒い TOYOTOMIのストーブで温まるに越したことはない
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東北出身で、学生時代を北海道で過ごした。当然、冬と言えば「雪」「吹雪」「凍る」「滑る」「転ぶ」「凍傷寸前」・・・

中学校は自転車通学だったが、冬はスクールバスが出ていた。放課後の遊びバスケに夢中になって最終便に乗り遅れることが何度も、というよりそれが普通で、吹雪の中を40分ぐらい歩いて帰るのが当たり前。途中で親切な車に拾ってもらうこともしばしばだった。

高校も自転車通学で、スクールバスなんてなかったし、路線バスに乗るのも嫌だったから、ガンガンに凍った道を自転車で通った。運転には自信があったけど、スリップして転倒し、車道に滑り出して轢かれる寸前、ということも何度かあった。

中・高生の頃、なんで「自分は死なない」なんて馬鹿げた自信があったのだろう・・・

北海道はさらに寒かった。
学生用アパートには風呂やシャワーはなくて、その代わり徒歩2分の銭湯があった。銭湯帰り、洗ってそのままの髪を触ると、面白いようにポキポキ折れた。部屋に帰ってストーブで髪を乾かしてみたら、見事に部分5分刈りになっていた。それ以降、銭湯で髪を乾かすか、絶対触らないように気を付けて徒歩2分の道のりを帰った。
今思えば、上手にやれば散髪代が節約できたかもしれない。


そうじゃなくて、南房総の冬の話だった。

では、南房総では雪は降らないのか、と言えばそんなこともなくて、「鴨川のチベット」と称される大山地区では、年に1回ぐらい、雪が降るときがある。積もることさえある。店と自分の家は街道に面しているからまだしもだけれど、少し山道を登った所に住んでいたら、かなり大変なことになる。

雪国生まれのドライバーが絶対に持っているチェーンも、窓の雪や霜を取るやつ(名前は知らない)も、凍った道で運転する術もないから、それはそれは怖いだろうと思う。
自分の家から30mほど山道を登った所に住む知人は、大雪警報が出た日、翌日の通勤のために街道沿いの自分の家の駐車場(5台ぐらいは軽くとめられる)にとめさせてくれるよう頼んできた。もちろん快諾し、翌朝、雪や霜をとるやつ(何ていう名前なんだろう・・・雪はねブラシ?)を貸してあげたら、とても感心していた。

ということで、南房総の冬は「いや、暖かいでしょ」という話。


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