文章のネタが無い時、発想を得る流れ

文章を書きたいけれども書くことが無い。
ネタが無い。
そんなときに私は、むやみに本を読んだり映画を見たり、既存の作品に触れて何とかしようとすることが多かった。
でも、読書や映画鑑賞やの後で、なにがしかの創作意欲を得ることはあっても、文章のネタそのものを得た経験があまり無い。
「いい作品に触れて、自分もいっそう文章が書きたくなった。でもやっぱりネタが無い」
という状態に落ち着いて終わる。

じゃあどういう瞬間に文章のネタを思いつくことができたか。
あまり経験自体が多くないのだけれど。

第一に、休日に屋外を歩いている時。
歩きながら外の空気、風景、環境音に五体を曝していると、脈絡なく頭の中に物語中の情景であるとか、物語の大筋であるとか、浮かんでくる。
元々自分の潜在意識にあった記憶や知識やと、屋外で受けた刺激とが結びついて、物語の糸口として現れるのかもしれない。

第二に、入浴中。
湯舟に浸かっている時、またはシャワーを浴びている時。
熱い湯に触れていて、それを受ける体表に意識が行くのでほぼ無心でいる。
無心でいるところに、急に諸々の発想が浮かぶ。
五体が刺激を受けることで発想に結びつくのは、第一の場合と似ている。

第三に、文章執筆中。
これもわりとある。
小説の文章なんかを書いていると、その書いている作品には関係しない別の物語のアイデアが浮かんでくる。
これは有益なようで、その実、執筆の邪魔にもなっている。
「面白い話になりそうだから、今書いているのをうっちゃっておいて、そっち書いてみようか」などと、執筆を中断する原因になったり。
またこれは、執筆中に筆が乗ってくると発想することが多い。
執筆の支障にはなるが、書くネタに困っている折なら、有難いのは間違いない。

第一の場合と第二の場合は、気分転換にもなっていいのだ。
でも室内で時間を確保して、今まさにパソコンの前なり筆記用具の前なりで文章を書き出そうとしているときに、ネタが欲しいからといって度々気分転換できないこともあると思う。
じゃあ第三の場合でとなるが、まず何も書くことが無くて、書き出しにも困って悩んでいる時には、すぐ応用するというわけにはいかない。
執筆が進む状態にはならないといけない。
で、ネタが無くてもとにかく書き出そう、となる。
無理くり文章を書き始める。
ネタが無いから、その日の朝食について描写してみるとか、いつでも思い出せる桃太郎浦島太郎等の寓話類を自分なりに描写してみるとか。
そうやって書いている最中に新たな発想が得られればそれもよし。
無理に書き始めた文章が、そのまま面白そうな作品に化ければ、それもまたよしで。

こんな感じで、私はだいたい三つの流れから発想を得ている。
皆さんはどういうときに書くネタを思いつきますか?

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