見出し画像

いまよういろ

今日は〈今様色/いまよういろ〉について。
JIS慣用色名によると「強い紫みの赤」

今様とは、平安時代の「今、流行りの」という意味です。
あの時代のトレンドカラーだったというわけですね。
男女関係なく流行ったのでしょうか?
男性の衣装にこういう色を使っていたら、オシャレでいいと思います。

『源氏物語』の「玉鬘」の巻にこの色名が使われているというので調べました。
歳末、源氏は世話をしている女君たちに「これを元旦に着てね」と衣装を配ります。
(さすが源氏の財力!)
『紅梅のいと紋浮きたる葡萄染の小袿、今様色のいとすぐれたる』衣を贈った女君は、紫の上。
源氏の最愛の人です。
ちなみに、源氏の娘を生んだ明石の君へは白×濃い紫の衣、娘の明石の姫君へは黒みを帯びた赤×やや淡い紅色をチョイスでした。

吉岡幸雄 『源氏物語の色辞典』 紫紅社  2008年 p.112-p.119


贈り物って、 贈る相手のことを考えますよね。
似合いそうなもの、好きそうなものを選ぶわくわく感があります。
自分のセンスを問われる場であるかも。
まぁ、源氏のことだからそのへんも抜群なんでしょうね。

衣ではないけれど、何度かネクタイを贈ったことがあります。
色別にきれいに並べられたお店の棚を、うっとりと眺めたものです。
色、柄、ワイシャツやスーツ、或いは身に着ける人の体格との相性。
首にぶら下がる帯状の布1本で、その人の印象がずいぶんと変わりますね。

そういえば、この今様色のネクタイって我が家にあったかしら?
んー、やっぱり無かった。
さすがにこの色はチャレンジャーかな。

----------

最後まで読んでいただきありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?