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心に響く一編を、毎日

数カ月前、ネットの海をさ迷っていたら『朝晴れエッセー』という文字が飛び込んできた。
産経新聞の、読者のエッセー投稿欄だった。


日常の出来事や感動したこと、思い出などが綴られていて、そのままなんとなく読み始めたのだが、止まらなくなってひと月分(30人分!)遡って読んでしまった。

それ以来、この投稿欄を読むのが日課になった。
500字程度の文字数も負担にならず、私にはちょうどいい。

*

採用される方の年齢層はわりと高めな印象。
人生の酸いも甘いも噛み分けた人の言葉は、深みがあって心に響く。

驚かされるのは、皆さんの文章がとても上手なこと。
え? これ本当に素人さんの文章?
と思うこともしばしば。

上から目線に聞こえたら申し訳ないが、読書が好きで日々活字に触れている身として、これは素直な感想だ。

*

うまいなぁ。
じょうずだなぁ。

コーヒーを啜りながら呟く。

あんなにつらいことがあったのに、今は前を向いて歩んでいるのね。
映画のようになんてすてきな思い出なんだろう。

紅茶の香りを嗅ぎながら独り言ちる。

*

一日のどこかで、パソコンを開く。
コーヒーや紅茶をお供に、ゆっくり文章をかみしめる。

市井の人々の珠玉の一編を味わう毎日。
これがなければ一日が始まらないし終わらないのだ。




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