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4種の法人比較(1)~株式会社、有限会社、合同会社、一般社団法人の名付けのルール~

今回はシリーズものとして、中小企業の事業主体として一般的な4種類の法人形態(株式会社、有限会社、合同会社、一般社団法人)についての比較を行っていこうと思います。

どの法人形態も聞いたことはあると思いますが、司法書士業務に14年ほど携わる中での蓄積を言語化してみます。

名称による比較

まず、一番わかりやすいのは名称の比較です。
どの種類の法人も法律により、名称(会社名、法人名)の中に会社の種類を表す、例えば「株式会社」等の文字を含めなければならないこととなっています。
同時に、「他の種類の会社であると誤認させるような名称を用いてはならない」といった名称の使用制限もあります。

つまり、会社名が「株式会社さぬきリーガルマインド」という会社があるとして、その会社が実は株式会社でないのにその名称を使っているのであれば違法ですし、株式会社として法人成りしたのであれば「株式会社」を名乗り続けなければならない、ということです。

では、この会社の種類を表す文字列「株式会社」「有限会社」「合同会社」「一般社団法人」にはどのような意味やイメージが含まれているでしょうか。

名称による比較~株式会社と有限会社~

昔から存在する会社形態として「株式会社」と「有限会社」があります。
この2つの会社の名称について考える際には、2006年に会社法という新しい法律が施行される前の時代に遡る必要があります。

過去には、株式会社や有限会社の資本金についての規制がありました。

旧 最低資本金制度
2006年に会社法が施行される前まで、資本金の額について、株式会社にあっては1,000万円以上、有限会社にあっては300万円以上でなければならないとされていた。会社法施行の際に、容易に会社を設立することができるよう、最低資本金制度は撤廃されたため、現在では会社が資本金の額を自由に設定でき、資本金1円の株式会社も設立可能となっている

このような制度があったため、株式会社については「比較的大きな会社」、有限会社については「比較的小さな会社」というイメージがついています。


こういった過去の法制度によるイメージは、ご想像のとおり、高齢の方、社会人歴の長い方ほど根強く残っており、逆に若い方には過去の法制度によるイメージはほとんどついていない、と言えます。

次回は、株式会社と有限会社の名称について、もう少し掘り下げて書いてみようと思います。


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