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高山京子
2024年7月9日 09:05
わたしは詩を書き始めてそれほど時間も経っていない浅学の者だが、いい詩集、というものについては、しばしば考える。それと同時に、読み手にとってのっぴきならない詩集、というものについても考える。田中淳一さんの詩集『生と死のあわいに迷子』は、間違いなくわたしにとって後者の詩集だった。わたしは、読みながら何度も、巻末に添えられた田中さんのプロフィールを確認した。一九五五年生まれとある。わたしは七五年の生まれ