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休日の楽しみ

朝、子供達と嫁を送り出し片付けなどの家事に取り掛かる。  
平日が定休日の僕の日課だ。  

撮り溜めたバラエティなんかを観ながら家事に勤しむ。   

そんな時だ。 最近僕はよく目眩に襲われる。
数ヶ月前に高熱を出してからだ。 
もしかしたらあの高熱はコロナでこの目眩はコロナ後遺症なのでは。  

目眩の強さはその時々で変わるが、強いものだと立ち止まってどこかに捕まらないと不安なほどだ。

そしてその日は今までで1番強い目眩に襲われた。
視界はぐるんと回り、よろけるというよりは足を払われて回転する様なのもので派手な転倒をした。

その際僕の体は前方に倒れ、咄嗟に顎を引いたおかげで後頭部から着地し、勢いそのままにメキメキっと巻き寿司の様に折り畳まってしまい、頭が肛門付近にまで近づいた。 

舌を伸ばせば肛門に届きそうな位の、目と鼻の先にまで大接近。

そして、折り曲げられて行き場をなくしたお腹のガスが押し出され、勢いよく肛門から飛び出してきた。

目の前に異次元への穴が開いたかと思った。

突如目の前に丸い闇が現れたのです。 
勢いのある放屁というのがあんなに肛門が広がるものとは思いもせず、恐怖と神秘の瞬間でした。

果てしない深淵を覗いた気がしたし、また深淵もこちらを覗いているんじゃないかという畏怖の念を抱いた。
いや、ある意味近い状態だったのかもしれない、覗いているのも覗かれているのも俺だもの。 

あり得ない事だが肛門に向けられた僕の視線は悶絶と驚きで開いた口を突っ切って再び肛門に向かっているというように、ぐるぐると体を回転している様に思えた。

見ている所は唯一一点、肛門。 しかしこの視界は何周目の視界なんだろう?  


ガスを出し切り収縮を始めた肛門は全てを飲み込まんばかりの不気味さ。
吸い込まれてパクッと頭を咥えられるんじゃないかと思った。

あれ、そうなったらウロボロスの蛇みたいだ。 
自らの尻尾を齧っている、永遠とか不滅の象徴と言われた神話上のあれだ。

いや、けど逆だ。俺はケツに食われるんだ。
なんて不吉なんだ、、、、悪夢、因果応報、天変地異、親殺し。とにかく不幸の象徴の様だ。



一瞬の対面の内に僕はこれだけの事を走馬灯の様に想像し、正直夢かと疑い、本当に時空を超越した気分になった。

強い痛みと疑問に襲われながらなにかとんでも無い体験をしでかしたのではないかと起き上がれずにドキドキしていた。


それから僕は休日1人になるとズボンを脱ぎ、ソファの上に立ち、床めがけて頭からの危険ダイブを繰り返しては着地の衝撃で体をへしゃげさせ、お腹の空気を押し出し、至近距離での放屁によって現れる神秘を夢見るようになった。


そんな危険な活動により僕の体はボロボロになり、首は激痛、視界には火花が舞い、眩暈は激しさを増していった。


やめなければ。  可愛い子供の抱っこもできなくなってしまう。


幸か不幸か僕はあの感動体験を味わってしまった。

明日の休みが待ち遠しくもあり、怖い。
しかし僕は休日を明日に控えた今晩、noteを書きながらさつまいもを食べて明日に備えた下準備してしまっている。

どうやら僕はジャンキーになりつつあるようだ。

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