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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(9/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、8つ目。

「ガラス張り経営」
私はいわば“ガラス張り経営“とでもいうか、経営なり仕事のありのままの姿を従業員に知ってもらうという方針でやってきた。それによって全員が経営しているのだという意識がごく自然に生まれ、自分の自主的な責任において仕事をしていくという好ましい気風ができてきたように思う。また、人も自ずと育つということにもなった。
そういう事を考えてみると、やはり従業員に対してはその時々の方針はもちろん、経営の実態についても、できるだけ秘密を少なくして、いいことにせよ、悪いことにせよ、いろいろ知らせるようにしていくことが望ましいし、大切なことだと思う。

松下幸之助 30の言葉


前回のNote(8/30)でルールベースマネジメントとプリンシプルベースマネジメントの話に少し触れたが、その実現の1つの有効な方法がこの“ガラス張り”という事ではないかと思う。また、多くの会社・事業でこれは好ましいと理解されていても、なかなか実行が難しい事かも知れませんね。
私の“ガラス張り経営”経験はあくまでも変化や不確実性の高い、事業開発(いわゆる0→1、1→10フェーズ)での経験であり、大きな事業体、かつ実際の事業経営(収益を生む事業の成長)における経験はないので、その本当の難しさは分かっていないかも。

では、なぜこの透明性の高い“ガラス張り”経営は実行が難しいのか?を考えてみる。何か懸念やダウンサイドがあるから実行が難しいのだろうと思うから。

  1. 情報の開示が早すぎると要らぬ混乱を現場に招く懸念
    経営で議論している最中、または真偽確認や内容精査されていない情報が早期に皆に知れ渡ることで現場が混乱、あるいはそれによる過度な不安が蔓延し、皆の仕事に悪影響を与えるかも知れない。これは当然の懸念な気がしますね。特に悪い情報だと特に。
    これは「信頼」の問題だと思います。信頼関係が弱い組織においては、この懸念は多くの場合で「するべき懸念」になると思います。その情報を得た人がどうアクションするか?に対してネガティブな期待値を持つからです。

  2. リーダーの資質を疑われる、リーダーの自己防衛的思考によるもの
    「こんな事も判断できないのか?」「こんな稚拙な経営をしているのか?」など、私もそうでしたが部下から見ると「うちの社長(リーダー)はダメだ」ってコメントが出ている現場も多いのが実情ではないですかね。これ自体は持っている情報量、文脈、経験値が異なるという理由による事が多いのですが、それこそそういったあまり価値創造的でない不満や不平を意味あるフィードバックや提案に変えるのがこの“ガラス張り経営”でしょうね。このリーダーはおそらく「自分は常に正しくなければならない、自分は常に皆より優れていなければならないと思っているのかも。そんな人は世の中にいません(笑)

  3. 部下が経営に関与したくないと思っていて透明性を求めない、あるいは嫌う
    これも現実問題としてある状況ですね。前提として、会社に求めるものや事業に対する思いが責任や自己の成長ではなく、ただ安定的に仕事があって、報酬が貰えていればよくて、自身の生きがいみたいなものはもっと別のところにある。あるいは、経営に関与すると責任追及されたり、高い負荷の仕事を任せられたりして、迷惑であるとか。
    これは見返りを求めるからこうなるのではないか?と思います。「ガラス張りにしたんだから、情報を得ているのだから、当然みんな経営マインドを持ってやってくれるよね、これでやれなければ無能だ」みたいな期待感です。これは全くの間違いで、逆に「何か動いてくれたらラッキー♪」くらいの感じで考えるといいと思います。

私が思いつくのは上の3つくらいですが、皆さんはもっと他の考えがあったりしますかね?あったらぜひ教えて欲しいと思います🙏
ガラス張り経営の難しさは、今までそうでなかった組織にそれを適用しようとする場合に特に強いと思います。それはその組織文化がボス的でリーダー的ではないのだと思います。

ボスとリーダーの違い

この絵はググるとたくさん出てくるので、多くの人が腹落ちする絵なんだと思いますし、私も同感です。でも、これってなかなかに実践が難しいですよね。私が過去にやって効果的だったことをいくつか紹介しますね。

  1. これまでのリーダーの慣行の中で最もBossyなものを変える
    米国での事例ですが、当時その組織にはその組織の長は「角部屋をあてがわれる」とか「駐車場が玄関に近い」などの慣行がありましたが、私は「要らない」と言って現場で価値創造に従事している人から好きな部屋とか場所を選べるというルールに変更しました。当時、みんな驚いたし、その後に組織文化の変化を行うための彼らにとっては苦い変更に対してもそれを機会と考えてくれるきっかけになった気がします。

  2. 何を大事にするか?(プリンシプル)の例示・実践
    例えば飛行機での出張の際、ビジネスクラスを使っていいルールであったとしてもその出張目的や期待される成果がまだ不確実性が高く、確信がない時だが探索には必要と判断した際に敢えてエコノミークラスを使う。それを部下になぜ?と聞かれた際に「費用対効果を考えたから」と答えました。それ以降、彼は何も言わなくても毎回「費用対効果」を意識した企画を作るようになり、それが組織全体に広がっていきました。逆にエコノミー使用するべき案件で敢えてビジネスクラスを使った時もありました。それは日程的に到着直後に大事なプレゼンをする必要があって、その為には移動中に熟睡しておきたかったから。これも同様に組織のメンバーのプリンシプル理解を深めることになりました。

  3. 自らバカになる
    小さな会社であってもCEOなんてタイトルをもらうと気負いますし、重圧も感じますよね。そこで敢えてバカになるんです。私の例だとCEOをChief Executive OfficerではなくCrazy Entertainment Ossanとか、Chotto Erai Ojisanとかにしたり、毎年のクリスマス時期におもろコスチュームで皆に感謝する場を持ったりしました。

CEO(Crazy Entertainment Ojisan)
私の居室に部下が貼ったもの
Year-endパーティコスチューム
J-POP Summit


次回は「適正利潤」を消化してみます。では、また〜♪

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