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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(7/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、7つ目。

「自主責任経営」
経営のやり方というものは無限にあるが、その1つの心構えとして自力経営、自主経営ということが極めて大切である。つまり、資金であるとか、技術の開発その他経営の各面にわたって、自力を中心としてやっていくということである。
他力の活用も時に必要であり、その方が効率的な場合もあるが、やはり人間はそういう状態が続くと、知らず識らずのうちに安易感が生じ、なすべきことを十分に果たさなくなってくるものである。また、企業の体質としても、他力に頼るところが多ければ、それだけ外部の情勢の変化に影響されやすくなってくる。

松下幸之助 30の言葉

松下幸之助の遺した言葉の中で割とよく知られたものですかね。「自主責任経営」です。私はこの言葉の説明を見る前に、勝手に自己解釈してました。それは「自分事として、事業・仕事に責任を持つ」みたいな感じで3人のレンガ職人の3人目のようにただの作業ではなく何らかの意味を感じて仕事をする事というように考えていましたが、創業者の意図はもっと「自立」的経営の重要性みたいなところにあったんですね。

さて、これは皆さんどう感じるでしょう?昨今のイノベーションブーム、起業・スタートアップ勃興の流れの中では「自前主義」などと言われてどちらかというと課題視されるものではないでしょうか?私は「知らず識らずのうちに安易感が生じ、なすべきことを十分に果たさなくなってくる」の部分がキーではないかと思います。

世の中に多くのモノが溢れ、その1つ1つの価値の陳腐化・コモディティ化が速くなっている昨今の事業において、「組み合わせによる新価値創造」は基本中の基本となっており、より多くの組み合わせを得る為には自社のみならず他社が持つものとの組み合わせも当然考えていくべきであり、なのでOPEN  INNOVATIONが言われていますね。このOPEN INNOVATIONにおける色々な手段の使い方に関する課題も依然として多く、例えばパートナーシップと言いながらベンダー・ベンディーのゼロサム関係を作ってしまっていたり、スタートアップへの投資行為が相手の成長を阻害する動きにつながっていたり、と私自身もどうOPEN INNOVATIONを使って社会やお客様により多様で大きな価値を提供できるようになるか、まだまだ勉強中です。多くの事例で私なりに共通課題だなと思うのが、自前主義からの脱却=他者依存になっているケースで、創業者の意図もそこにあるのではないか?と思います。

例として、スタートアップへの投資のケースを。
特に企業がCVCファンドなどを組成してスタートアップに投資する場合、そのスタートアップの事業がスケールしてExit(買収されたり、上場したりする事)した際のキャピタルゲイン(金銭的リターン)だけではなく、その企業の事業との間に何らかのシナジーを期待する戦略的リターンも狙っています。なので、投資先と何らかの協業・共同プロジェクトを行う際に、仮にそのプロジェクト費用やリソースを投資元が全部提供してやったとしても、その結果として投資先の会社の価値がそれ以上に上昇(①)、AND/OR そのプロジェクトを通じて得られた学びや何らかの結果の事業戦略的価値(②)の総和①+②が提供したリソースの総和より大きければ、それはプラスだよねという話にできます。実際には①は期待される価値ですし、②は客観的・標準的測定方法を持ちにくいので、簡単にはいかないですけどね💦
ただ、投資による相手の株式保有がない場合の協業・共同プロジェクトではそのプロジェクト単体で自社利益(金銭的・戦略的)を確定させなければならないのに比べると多くの柔軟性と工夫の余地があります。旧来の日本型ものづくりのサプライチェーンにおいても実はこのメカニズム(共存共栄)があったと思うのですが、その話はまた今度。
前置きが長くなりましたが、ここで重要なのは相手が何を持っているか?何ができるか?ではなく、自分が何を持っているか?何ができるか?という事なんです。それは技術でも製品でも事業資産でもアイデアでも何でもいいのですが、何か他者の役に立ちうるものを持つ事。そしてそれを積極的に供する事。まさに“Give First“の精神でその為には自力で己の事業や技術に誇りと責任を持つ事。その上でそれを更なる価値とする為にOPEN  INNOVATIONなどの手法を使うという事ではないですかね?

「知らず識らずのうちに安易感が生じ、なすべきことを十分に果たさなくなって」きていないか?
これは何の仕事であれプロとして常に心の中に置いておくべきだと思います。

自身の責任、他者依存による情勢変化の影響の話でさらに言うと、過度な資本主義経済への傾注が我々消費者の他力への無意識かつ無責任な依存を助長したんでしょうね。資本主義経済のおかげで圧倒的に機能性能品質の良いものを安価にいつでも入手できるようになりましたが、同時にそれらがどう作られ、どんな苦労や努力があるかは見えにくくなりました。日常的に消費している様々なものの製造・流通過程に非常に過酷な労働や不公平な取引があって、そのおかげでそれを安く・いつでも手に入れられるようになってると知ってもやはり我々はそれを今同様に消費するでしょうか?「責任ある消費」というのも考えてみたいテーマです。

次回は「ものをつくる前に人をつくる」を消化してみます。では、また〜♪

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