教員調整額ではなく教員の増員と交代制を

公立学校の教員の給与に残業代の代わりに上乗せする「教職調整額」を増額することを柱とした提言がまとめられたそうです。

増額を「柱」と謳っていますが、それでも10%程度だそうです。多くの教員が月45時間以上の残業をしているとも記事中に書かれています。定時が8時間だとして、月20日勤務だとすると160時間になります。これに対する残業が45時間だとしたら、時給を同じに考えても27%以上になります。残業の場合一般企業だと定時内の給与よりも割増しで支給されるため、10%どころか30%は必要と考えられます。

勿論やらないよりはやった方がマシですが、この程度の計算でも明確に足りないと思えるようなものを「柱」とするようでは噴飯物の提言でしょう。他にも労働基準法に基づく残業代の支給を「教員の仕事は時間で計りきれない複雑な内容」などと詭弁を騙って否定する等、解決に向けた本気度が伺い知れます。時間で計り切れないというのは素早く終わらせられている場合に言えることで、残業が当たり前となっている状況では世迷言も甚だしいと言えるでしょう。

記事の中にもある通り、教員の仕事は単純に教壇に立つことだけではありません。教材研究の他プリント類の作成や保護者への連絡、中学以降は部活の管理もあります。特に部活に関しては夕方から日暮れ時にまで時間帯が食い込むため、最初から残業を大前提にしているという状態なのに気付かなくてはなりません。

定時で残業を無くすことが不可能、ならば定時そのものを変えてしまうほかありません。工場等で採用される二交代制です。教員の人数を大幅に増やして交代制で生徒を受け持つのです。この交代もギリギリの時間に行うのではなく、それぞれの教員が事務仕事等を行う余裕まで計算します。例えば朝7時に出勤して休憩1時間の8時間勤務だと定時は16時、交代の教員は朝10時に出勤で定時を19時、前者は8時から13時まで教室で生徒を見て、後者は11時から16時まで見る、教室にいない時間は事務仕事等ができるという算段になります。これはあくまでも今考えた一例ですが。

この教員の交代制は、恐らく生徒たちを見る上でも有益であると思われます。単純に生徒たちをチェックする教員が時間帯をずらすとは言っても増えるわけです。過去のいじめには教員が関わっていたものもあるため、もう一人教員がいれば単純にチェックしやすいでしょう。そうでなくとも生徒の様子を複数の教員が見ることは、同じ教員であってもどうあっても目線が異なるので気付く生徒の状態も異なるものと思われます。

いずれにせよ教員の待遇は大幅に改善させないといけません。ここでこそ本来は労働組合の出番なのですが、日本教職員組合(日教組)は肝心の教員の労働状況はこの有様で、日の丸君が代のようなものには狂ったように騒ぎ立てる有様です。本末転倒であり怠慢もいいところであると断ぜざるを得ません。

これに限らず以前大学は教育機関か研究機関かを明確化すべきと記事にさせていただきましたが、日本の教育は課題が山積している状態です。そうでなければ他の分野への足枷ともなりかねません。

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