アナログデバイスへの傾倒を強める最近
アナログレコード。
万年筆。
なんだか最近、アナログなデバイスがとても魅力的に思える。
物心ついたときからインターネットと共にあった……というのは、いくらなんでも大袈裟だが、小学校の頃から、インターネットとパソコン、デジタルデバイスと共にあった自分を考えると、たいへん意外なことに思える。
かつての自分は、CDやMDすら忌み嫌い、データで音楽を聞くことを至上としていた。
なにかCDを買えば即リッピングし、肝心のディスクは部屋のどこかへ埋もれるのが日常。
そんなかつての自分からすれば、アナログレコードなる無駄に大きな円盤を回して、さらにはひっくり返してまで音楽を聴こうというのは、理解に苦しむ非効率性だろう。
というか、現在でも音楽を聴くときのファーストチョイスはApple Musicだ。
それでもアナログレコードに、ひいてはアナログデバイスに魅力を感じるには二つの理由があると思っている。
ダイレクト感
仕組みの精緻さを感じられる
結局はどちらも同じことかも知れない。
ダイレクト感というのがどういうことなのかというと——。
例えば、レコードであったら、手元の円盤の溝を針がなぞることによる振動が電気信号に変換されて音が出ている、万年筆であったなら、さっき入れたインクがペン先に出ている、そういう、ものが直接作用しているのを感じる、ということ。
以前、安い中華製万年筆をバラバラにしたことがありました。
バラバラにしてみると、ペン芯が目に入りました。溝が2本ある。一本はインクが流れる溝なんだろうけど、もう一本はなんなんだろう?
ペン芯を眺めながら考えてみると思いつきました。「空気が入る吸気口だ!」と。
ペン先からインクが出るということは、同じだけ、コンバーターなりインクタンクなりの中に空気が入っていかないといけません。
なのでこの空気が入る溝が適切な太さで掘られていないと、インクが出ないかインクフローが安定しなくなります(ペットボトルや牛乳パックを大きく傾けて注ごうとするとゴポッゴポッとなるように)。
あ、ちなみにここまで書いてきたことは万年筆素人の僕が実物見て思いついたことなので、実際は違うかも知れません。物知り顔で他人にここに書いてあることを説明して恥をかいても僕はまったく責任をとれないのでよろしく。
それに気づいたとき、僕は唸りました。「なんて巧妙な"しかけ"なんだろう」と。
もちろんデジタルデバイスはもっと複雑な構造というか"しかけ"になっていることは想像に難くありませんが、デジタルデバイスの場合良くも悪くもその複雑さ、精緻さはソフトウェアによって覆い隠されているので、直に触って、なんて精緻な仕組みになっているんだろう!と感心することが少ないのではないかと思います。
まぁ正直さっきのダイレクト感と言っていることは変わらない気はしますが笑
複雑な、巧妙な、人間の知恵を手にとって感じること、それが僕をアナログなデバイスに引き寄せているものだと思います。
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