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第30節 セレッソ大阪vsヴィッセル神戸 愚痴

先に書きますが今回は愚痴です。批判です。文句です。読みたくない方は読まないでほしいです。ただ、自分が吐き出したいだけです。


最悪の立ち上がり

この日のスタメンを見たとき、「西尾が右SBに入る4バック」を予想したけど、実際は違った。

キックオフ時、セレッソの最終ラインは右からルーカス、鳥海、西尾、舩木、登里の順に5人並んでいるように見え、おや?と思ったが確証を得る前にヴィッセルの猛攻を受ける。

開始早々、わずか18秒でクロスから決定機を作られ、1分10秒にも相手の惜しいシュート。そしてその流れのCKから先制を許すこととなった。1分50秒ほどで3回も決定機を作られた。

ここでようやく試合が落ち着いて、セレッソが保持時・非保持時共に5バック(3バック)であることが分かる。

6分、リスタートから奥埜が動かされて空いたスペースで大迫に受けられ、ここで541の危うさを感じると、7分25秒にはトゥーレルから同じく奥埜の背後で井出がフリーでボールを受ける。

8分38秒、初瀬のスローイン、奥埜と田中駿汰が動いた背後を大迫に使われフリーで受ける。セレッソほCBは誰もプレッシャーに行けない。

そして2点目のシーン。ヴィッセルの左サイド=セレッソの右サイドから攻撃を受け、鳥海がルーカスのカバーに入るとその鳥海が動いて空いたスペースには誰もカバー行かない。慌てて奥埜がフリーの宮代に当たるも背後を大迫に使われる。その大迫からボールを奪いきれず、落としを広瀬に沈められた。

いきなり厳しいことを書いてしまうが、正直なところこの5バックの狙いはあまり伝わってこなかった。それどころか、脆さばかりが目立ってしまい、良いところは全くなかったと言っていいと思う。

13分20秒。奥埜が動かされて初瀬→宮代→井出とフリーで受けられる。そして田中駿汰が動いたところを大迫に使われて武藤へスルーパス。何もかもが後手後手だ。

奥埜や田中駿汰が動く…というか動かざるを得ないのは、相手のボランチに誰がプレッシャーを掛けるのかが定まっていないから。だからこちらのボランチが相手のボランチに出ざるを得ない。

なぜ相手のボランチにプレッシャーが掛からないかというと、セレッソの前線の3人も同じく誰が誰を捕まえるべきかハッキリしていないから。

レオもブエノも、誰を見ればいいかが曖昧
となると扇原が開いてしまうので
奥埜が出ざるを得ない


それが顕著に現れたのが14分40秒。ブエノがトゥーレルと初瀬の2人を見ないといけない状況。レオは山川を意識していたので、ブエノは扇原がフリーだからボランチが捕まえろと指示するが誰も出てこれない。(先程から動いた背後を使われるため)

15分40秒にも同じく、レオは扇原がフリーなのでそこから動けない、ブエノは初瀬とトゥーレル2枚見ないといけないので動けない。レオが動いた代わりに扇原へは奥埜が出るとその背後を井出に使われる、というシーンが見られた。

本当に書けばキリがないんだけど、たった20分のうちにこれだけボランチを動かされ、スパスパと縦パスを差し込まれたら、そりゃ苦しい。

飲水タイム明け、セレッソはいつもの442へ。西尾が右SBに入る。当初予想されていた形へと変更を行った。

ここで一旦、この5バックの狙いについて書く。

なぜ541だったのか

小菊監督の試合後コメントでは「ここ3試合の失点の多さ」であるとか「0-0の時間を長くしたかった」、さらにはヴィッセルの特徴を踏まえてということだったそうだ。

ヴィッセルの特徴というと、彼らは対角へのサイドチェンジ、あるいは対角へのロングボールで大迫や武藤を使うのが得意なチーム。それに対して最終ラインに5枚を並べ、5レーン全てを埋めるという判断だったのかもしれない。

ただ最終ラインに5枚を割いてしまったので前線は3枚しかいない。3枚しかいないので、相手の最終ラインがボールを持ったときにほとんど圧力らしい圧力を掛けられない。

ヴィッセルの後方の選手はフリーでボールを受けて精度の高いロングボールを前線へ供給できていたし、ロングボールを蹴らなくても、地上で繋いでセレッソのボランチを動かして、その背後で井出や大迫が受けて何度も起点を作っていた。やりたい放題だったと思う。

小菊監督曰く「開始早々の失点でゲームプランが崩れた」とのこと。おそらくは0-0を維持しながら試合のどこかで一発カウンターを沈める。それがゲームプランだったのだろう。それが、先制を許したことで崩れた、と。

言いたいことは分かる。

0-0の時間を長くしたかったのも理解できる。
そして0-0の時間を長くするために5バックを選択したのは、おそらくだがサンフレ戦の後半。あの試合の後半も5バックで守っていて、比較的、相手の攻撃は防ぐことができていた。その成功体験から、この試合でも「失点したくない→あのときの5バックだ」となったのだろう。

それはまあいいとして、問題は、0-0の時間を増やすために何をどうしたかったのか。5バックにしてカウンターを繰り出したい、そのために何をどうしたかったのか。「プラン」というのはむしろそっちの話だろう。

システムは別に何だっていいと思う。442の方が選手達はやりやすそうなのは事実だけど、別にシステムで全てが決まるわけじゃない。442や541なんてのは数字の羅列に過ぎない。

この試合、5バックの541で、どう守って、どう攻めるのか。ここが分からなかった。
大事なのは「どう守って、どう攻めるか」であって、システムなんてのはそれを実現するための手段に過ぎない。ここの前後が入れ替わってしまうことだけは、絶対にあってはならない。

失点したくないから5バック…だけで終わってはいけない。その5バックで何をするのか。これは5バックに限った話ではない。今のセレッソが抱える課題の多くはここに行き着く。

最終ラインからビルドアップをする…だけじゃなくて、最終ラインからのビルドアップで何をどうしたいのか。

サイドからポケットを取る…だけじゃなくて、サイドからポケットを取ることで何をどうしたいのか。

SBが中に絞る…だけじゃなくて、SBが中に絞ってそれによって何をどうしたいのか。

この辺が、全部「それ自体が目的化」している。

それに、1点取られただけで崩れるゲームプランは脆過ぎるのではないか。ここ3試合で11失点を喫し3連敗中のチームが、ただの1点もやれないゲームプランを設定する時点で無理があるような気もする。

後ろに重心を置きすぎたあまり、その分前線は減るのでプレスの基準が定まらない。仮に0-0でも、仮にセレッソが先制していたとしても、前線の守備は定まっていなかったと推測する。そのくらい、前線の守備は苦しいものだった。
この試合の最もマズかったのは「541における守備基準の設定」であって、先制点の有無やその時間帯は根本的な原因ではないはずだ。
0-0だったら、もっと守備はハマっていたのか。0-0だったらもっと攻め手があったのか。
申し訳ないけど、とてもそうは思えない。

なので、あの陣形で0-0を維持するというプラン設定そのものが無茶だったと思ってしまう。

結果論なのは分かっているけど、この試合の飲水タイムまでの22分間は本当に残念なものだった。
今のセレッソは試合の入り方が命なのに、その入り方を間違えてしまった。本当に痛恨だった。

いつもの442へ

飲水タイム明けの布陣

飲水タイム明けから442へと移行するも、いきなりゴール前までボールを運ばれてしまうセレッソ。

とにかく最近のセレッソは相手のボールホルダーにプレッシャーを掛けられない。最終ラインは高いのに出し手にプレッシャーが掛からないから、背後へ危ないスルーパス何度も出される。それは442でも変わらなかった。なので根本的な原因はシステムではないということ。

サンガ戦だってあれほど背後を使われたのは、こちらの最終ラインは高いのに、切り替え時に相手選手へプレッシャーが掛からず悠々とスルーパスを出されていたから。

この辺の強度は小菊セレッソの生命線だったはずだが、どうも最近の試合ではその生命線が欠けてしまっているように感じる。

スルーパスを出されて、裏を使われて一気にシュートまで持ち込まれることも危険なんだけど、シュートまで持ち込ませなくてもそこを起点に押し込まれて、自陣深くでのプレーを強いられてしまう。

自陣深くでボールを奪ったとしても、今のセレッソはそこから前に出る術を持っていない。だから前線からのプレッシャーというのは今のセレッソが最も大事にしなくちゃいけないことの一つ。前で奪うか、奪えなくても相手の思惑通りのボールを蹴らせない。そこを徹底しないと、相手の攻撃を受け続けることになる。

試合に話を戻すと、いつもの並びだからか、比較的選手達はやりやすそうにしていた印象。ようやくいつも通りのレベルにまで戻ったという感覚だった。
「いつも通り」なので、決して良くはないんだけど。

ハーフタイムにはカピシャーバ、颯太、奥田を投入し巻き返しを図る。ここからは気合と根性で前掛かりサッカーをするしかない。

後半の布陣
この図と違ってボランチは左右入れ替えていた


レオ・颯太の2トップは扇原を意識しながらCBへしっかり出て行く。時にはGKまで出て行く。そしてロングボールを蹴らせる。蹴られるのでなく、蹴らせる。

蹴らせたロングボールに対しては鳥海・西尾が弾き返し、そのカバーには田中駿汰が入る。これを徹底していた。

攻撃の際も早く前線へ、あるいはサイドの裏へ送り込む。

つまり、やってることをまとめたらオープンな殴り合いに持ち込んだというところか。

途中、危険なカウンターを食らう場面もあったがジンヒョンの神セーブで凌ぐ。その辺りは自ら進んでオープンに持ち込んでいるので仕方ない。

…が、こちらに決定機があったかというとそうではなかったし、計算されたプレーが見られたかというとそうでもない。
とにかく一人一人が走って、戦って、何とかしなきゃいけない、というような、どちらかというと魂で戦っていたように感じる。悪い言い方をすればヤケクソだ。

それはスタンドで見ていても伝わってきたので、なんとか選手達の想いが報われてほしい、なんとか追いついてほしいと心の底から願うような後半の戦いぶりだった。

だけどあまりにも前半の2失点が重かった。重すぎた。ただでさえ得点が少ない、先制されたら苦しいチームが、試合の入り方を間違えて開始早々に2失点してはどうしようもない。

最初から後半のような戦いができていれば…と言いたくなる気持ちは分かるが、あれを90分続けるのは不可能だろう。後半開始と同時に投入された颯太が、試合後は疲労困憊の様子だった。つまりあの戦い方は捨て身だったということ。

3週間かけて準備したものをたった22分で諦め、ハーフタイムにはちゃぶ台をひっくり返し、魂だけで戦う。

見ている側としては、後半45分に関しては本当に心に響くものがあったが、冷静に考えると内容は最悪と言ってもいいのではないかと思う。

最後に

この試合に関しては飲水タイムまでの22分間が全て。入り方を間違えてしまった時点で厳しかった。

なんとかしなくちゃいけない、というのは選手達からはもちろん、監督からも伝わってくる。

だけど、ちょっと考えすぎなのではないかなと思う。

難しく考えずもっとシンプルに、まず各々の守備の役割を整理して、切り替え時の強度を徹底して、良い守備から良い攻撃へ繋げていく。これが小菊セレッソの原点ではないだろうか。

なんとかしなきゃ、が先行するがあまり、難しいことや普段やっていないことに手を出してドツボにハマっては意味がない。

今のセレッソは難しいことをやる前に、以前は出来ていたことが出来なくなっていて、そっちの方が大問題。まずはそこの整理整頓。

個人的に、最も厳しいと感じている点は2つ。
一つ目はずっと前からだが攻守が繋がっていない。
二つ目は先ほども書いたがあらゆることについて手段が目的化している。

チーム状況はかなり厳しい。攻守どちらも厳しい。
クローズな状況に持ち込んだとしても試合を動かす術がないので壁にぶつかる。かといってオープンにしたらカウンターを食らいまくって失点を重ねる。本当に苦しい。

けど何を言っても仕方ないので、なんとか今いる選手・監督で巻き返してもらうしかない。現実的に考えて、今のセレッソには、今いる選手・監督で巻き返す以外の選択肢はないだろうから、それに懸けるしかない。

以上、今回は結果論で文句書いただけです。すみません。

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