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愛と変態映画「Pearl パール」

こんにちは。今回はお気に入りの変態映画を紹介しようと思う。最近ホラー映画でゾッとする事もなくなったんだけど、この映画は心に残った。というか主人公よりも、やっぱりハワードが怖くて闇が深いなと感じた。色んな記事を読んでみたけど、私だけじゃなくて安心した。

映画の感想と一緒に、ハワードはなんであんなにパールを愛したのか私なりの考えをメモっとく。もちろんネタバレ注意!

ハワードの怖さ

パールの狂気は描かれていたけれど、映画の最後にあんな状況を目の前にしてそれでも生涯添いとげることになった、ハワードの愛が怖い。
Xでは愛する人のためなら人殺しだってするし、他のヤングでビンビンな連中に嫉妬してるし、本気でパールを愛してるように見える。

ハワードは何故パールをあんなに愛したのか?

①ハワードもまた、幸せ像を壊したくなかった

パールが物語の途中で話してたように、農場生活を嫌がるどころか喜んで受け入れたハワード。パールには、普通の母親に愛されるという幸せ像があったように、ハワードにも農場でのほほんと生活するという幸せ像があって、現実から目を背けたかった。

現実から目を背けるというのは、この映画のテーマな気がする。たとえその現実が崩壊しそうでも、現実の中で偽りの幸せを演じてしまうのが人間だ。というより愛ってそういうところがある。
途中、映画技師がAVを見させて現実を突きつけるというシーンもあったし。
AVも偽りの愛なのだけど、二人ともそういった「つくられた分かりやすい愛」に植えていた。
だからあの例の怖い場面を見ても、ハワードはその現実より、パールとの幸せ像を虚偽することを選んだのではないだろうか。

②戦時中に後ろめたいことをした

あれだけの恐ろしい食卓を見ておきながら、なかなかあそこまで愛し貫き通すのは普通なら難しい。ハワードは戦時中に、パール以外の人と関係を持ったりしたのではないか。
パールも途中過ちを犯したのだから、ハワード側もそんな過ちを犯しててもおかしくない。ハワードが純粋に真実の愛を持ってるような描き方をするかは疑問だし。
後ろめたさから、パールの罪を許して自分の罪悪感を打ち消そうとしたのではないかと思う。ここら辺の真意は、三作目に分かってきたりするのかなぁ。
あんなトラウマな所を見せられても平気だったのは、ハワードも夢から戦争という現実世界で傷を負って帰ってきたせいかも。

感想まとめ



最後のオチがゾッとした。泣きっ面がどんどん強ばって、人形のようになる表情が頭の中に刻み込まれた。ついそのシーンだけ二度観てしまった。夢を崩壊されても、銀幕に立とうとしている執念を感じた。
久々にいい映画に出会えてよかった。A24の映画大好きだ。自作にも期待。



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