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新しい詩「自己実現」



『自己実現』


暗室の窓が開いたら
もう 写真は印画紙には
映らない
私は、横になっていた
目を閉じていた
眠ってはいなかった
しかし、夢をみた

北極星のまわりを
北斗七星がまわる

熟した美しい女性のまわりを
才気ばしった青年たちが
うろつくように

私の北極星はどこだろう
私は女だから
北極星は与えられていないのだろうか

私には 私が与えられている
私は 私を捧げなくてはならない
北極星として
私は 私に身を投じなくてはならない

私は北斗七星にはなれない
女だから

私は、身を呈して
北極星にならなくてはならない

そのために暗室が必要だった

今、この暗闇で
私は星にむかって 飛ぶ
断崖から

私は 星と愛し合うために
飛ぶのではない
新たな星として
生まれるために 飛ぶのだ

疑ってはいけない
海岸に横たわり
打ち砕かれないために

私は 飛ぶ
閃光に私は焼かれる

体中が光になる
炎になる

暗室の窓を開けてはならない
疑ってはいけない

私は 女になる










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