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モラハラを断つ【Vol.1】はじめの一歩

あなたの夫はおかしい。
弁護士に相談行った方がいい。
ほんまにこのままでいいの?
あなたらしい人生を送ったほうがいい。

今思えば至極真っ当な助言としか思えないし、
同じ状況の女性がいたら同じことを言うだろう。

しかし、当時の私は、

一瞬ビクッとするが、慌ててそれを打ち消すのバッドループの中にいた。

『分かってんねん、分かってるけど、、私にできるわけない。自分であれこれ考えることがそもそも面倒くさい。あんな執拗に、無茶苦茶な理屈でこちらの考えを踏み潰してくる人から逃げられる訳がない。シングルになって子供2人抱えて仕事が見つかるわけない。こんなブランク長くて正社員歴も大してない女、誰も雇ってくれる訳ない。だから、なんとかやってくしかない。子供らに経済的な不安を負わせたくないしな。そうや、沖縄旅行だって行けなくなるんやし。だから頑張ろう』

つまり

『こんな私には無理』

という自らへの決めつけが、全ての可能性を閉ざしていた。
この『決めつけマインドセット』と共に、10年以上を過ごしていた。

しかし、体というのは正直なものだ。夫からの15年に渡る嫌味、干渉、暴言、時々暴力。子供に対する教育・しつけ面での虐待行為。
全く安らぎのない家庭、パートナーを抱えることへの、重く、深い悲しみ。
心が、身体が、限界を迎えようとしていた。

2023年9月頃から、明らかに鬱の症状が出始めた。『悲しい』という感情が一日に何度も腹の底から湧き上がってくる。仕事中、家事中、昼夜を問わず涙が出そうになる。仕事での不安、子供の将来への不安。あらゆる不安で眠れなくなる。眠れても夜半に目が覚めてそのまま眠れない。
布団で横に眠る娘の寝顔をみて、この可愛い寝顔を見ながら眠りに落ちて、そのまま目が覚めなければそれはそれで幸せだな、などと考える時もあった。
そんな日々が数週間続き、私はようやくメンタルクリニックの受診を決めた。

実を言うと、私は長年、精神科を敬遠していた。
独身の会社員時代に一度だけ心療内科を受診したことがあった。
その頃は、仕事が嫌すぎて有給超過するほど会社を休みまくっていた。そのため、医者に『鬱』などの診断書を書いてもらい退職してやろうくらいの気持ちで受診した笑 『神経質なタチですね』と言われ、恥ずかしい思いをしただけで終わった。そして自分の浅はかさを恥じた。
この経験から、私は詐病するためにメンタルクリニックを受診してる奴と思われるんじゃないか、どうせまた『いや、大したことないですよあなた』と言われるに違いない。
また意味不明な『自分縛りマインドセット』に縛られていた訳だ。

しかし、コップの水はもう溢れかけている。
風船を針で突いたら、即座に割れてしまう。
爆発寸前なのは分かっていた。
誰かにこの辛さを聞いてもらいたい。でも親は心配するし、妹はすでに自由の身で独身ええでー!としか言わないから、とにかく第三者に聞いて欲しかった。
一晩中寝られるようになりたい。
となると、、やはり精神科しかない。

めちゃめちゃ勇気を振り絞って、
駅前のクリニックに初回予約の電話を入れた。
呼び出し音が鳴っている間、
通訳案内士試験の二次試験の順番待ち並みに緊張した笑
優しい受付の人に案内され、あっさり2週間後の予約が取れた。
さらに、友人の伝手で弁護士の無料相談の予約まで取った。

『やべぇ、私自分のために行動してる!すごい!すごいぞ!』

という声が確かに聞こえ、力が湧いてくるのを感じた。

そう、無駄な自分縛りをひとつ捨てた瞬間だった。



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