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モラハラを断つ【Vol.2】なぜ断捨離?

前回は、初めての投稿にスキをくださった読者の皆さん、本当にありがとう。
通知が届くたび、とても勇気づけられました。

今回は、このnoteのタイトルにもなっている、
私にとってのモラハラと断捨離の関係性について書いてみたいと思う。
多くの人がこんな印象を持つかもしれない。

『要は、パートナーを断捨離するってことでしょ』

はい、正解。それが現在の最重要目標であり、それを達成
するべく日々を積み重ねている。
さらに言えば
私の個人的な過去の経験により、この2つが密接に関わることになった。
今日はこのことについてお話ししていく。

私は整理整頓が大好きな母の元で育った。子供の頃から、家の中は常にきっちりと片付いており、家具や物の多くない家で育った。常に要不要を判断し、物を溜め込むようなことが一切なかった。母は過去の思い出を見て一時的
に感傷に浸ることはあっても、それに見切りをつける習慣があった。いわゆるミニマリストとまではいかないまでも、シンプリストと言って差し支えないように思う。

一方、夫は物が多い家庭で育ったようだ。子供たちが自立して家を出た後でも、子供時代の工作、中高時代に見ていた洋画のVHS、健康器具、誰も弾かないアップライトピアノ、誰も眺めることのない掛け軸。いつも物の多さに圧倒された。家族関係の悪さも影響してか片付けにまで気が回せないという事もあったのかもしれない。

とにかく、生育環境は、ダイレクトに
片付けや物の所有に対する考え方に影響を与える。

私は片付けが大好きな大人に育ち、夫は、買い物大好きのHoarder=溜め込み屋
に成長した。(明らかに価値観が合っていない。〕夫はさらに
『物を捨てるのはもったいないことで、物を大切にしない悪いこと』
という価値観を持っているようであった。
整理整頓を好む私に対し『お前はすぐ物を捨てるし、いい加減に扱う。物をしまい込んで行方不明にするだめな奴』と叱責することが多々あった。

さらに、服好きでとにかく服を良く買っていた。私のファッションセンスにも口出しするタイプだったので『お前はセンス悪いから、俺が服を選んだる』などと言い、『服買いにいこか』と私が買いたい気分でない時でさえ服屋に連れて行かれることも多かった。そういう時の私は
『本当はそんなに服ほしくない、選んでもダメ出しされて、夫の合格点の出る服を買わされる、いやだ嫌だ嫌だーー!!』
と心が叫んでいるにも関わらず、夫の機嫌を損ねたくないがために
適当に『夫が好きそうなちょっとモードな服』を選ぶようになっていた。

しかし、好きでもない服をタンスから出してみても
着たいという気持ちが湧くはずもない。
『じゃあもっと好きな服買おう』と、反動でまた店に行き、
吟味することなく、衝動的に服を買っていた。
このような状況における、私のタンスの状態を想像してみてほしい。

引き出しが引っかかるほど、パンパンに詰め込まれた服。
結局、すぐに着たい服は見つからず、組み合わせを考えようにも、
選択肢が多すぎて考えるのが面倒になる。
そして整理整頓されていないタンスを見るたびにイライラする。
しかし、夫が『いいね』した服を捨てるなんて恐ろしくてできない。
この悪循環とともに、私は結婚以来10年以上を過ごしていたのだ。

2017年の春、上の子が幼稚園に入園し、少し時間の余裕が生まれた私は、近隣のママゴスペルサークルに入会した。そこで出会った他のママさんが着ていた、ある服を見て運命が変わった。決して派手ではない真面目な雰囲気の人であったのだが、ある日見るも鮮やかなアフリカンプリントのスカートを履いて練習に現れたのだ。私は練習中もずっとそのスカートのことが気になり、練習が終わると一目散にその人の元へ駆けつけ、ブランドを聞いた。そして帰宅後すぐにオンラインで注文を完了させた。

これこそ、『私』がずっと探し求めていた服。
『私が』心の底から着たいと思う服。
10年かかってやっと出会えたのだ。
この時以来、夫の好みを考慮した服を買うのを一切やめた。
自分の好きな服しか買わないと心に決めた。
そして、タンスを埋め尽くす着たくもない服を少しずつ処分していった。
それでも、夫が最も好むアウトドア系の服を捨てようと思うと、心に恐怖が走るのが分かった。
※実際、古いパタゴニアのダウンをこっそり捨てたことがバレた時は
『もったいないことして!売ったらよかったのに!』と何度も叱責された。

それでも、ごちゃごちゃ言われても、
少しずつ少しずつ、着実に片付けを続けた。
そして私のワードローブは整っていった。
今では、タンスのどこに何が入っているか全て俯瞰できるようになった。
ここまで来るのに6年かかった。
もちろん数で言えばまだまだミニマリストには程遠いだろうし、基本は服が好きなので、ギリギリ限界まで減らそうとは思っていない。
ただただ、自分が本当に好きな服、それに合うベーシックなアイテムを選ぶということにフォーカスした結果、とても心地よいワードローブができたんだと思う。夫に『こんなの買ったんだけどいいでしょ?=良いよね?』確認も一切しなくなった。その結果、私のファッションに一切口出ししなくなった。
自分が誇りを持ってこの服を着てるんだという、自信・プライドがそうさせたんだと思っている。

ちなみに、モラハラにあったことのない人からすれば、
『え、たかだか服でしょ。自分で選びなよ』と思うかもしれない。
そう、たかだか服を選ぶ程度の意思さえ持てないほど
モラハラの及ぼす影響は深刻なのだ。

私にとって断捨離とは、ただ物を減らすというだけでなく、
夫の所有に対する価値観から解き放たれ、
自分の価値観を再認識し、誰の影響も受けずにありのまま生きていくために
必要なプロセスだと言える。


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