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父親と家賃

まず両親との関係は良好である。
僕は23歳 芸人志望 実家暮らし
この簡単なプロフィールでも過去に起こってきた衝突、現在起こりうる両親との問題は、火を見るより明らかだろう。

今回は、現在僕の中で起きている両親との小さな問題、主に父親との関係について書こうと思う。
しかしそれは、皆さんが思うよりはるかに小さい問題である。

芸人志望で、実家に住ませてもらっている。
とてもありがたいことだと思う。
大抵は一人暮らし、あるいはシェアハウスで切り詰めた生活を強いられる中、実家暮らしはとてつもなく甘いことである。
それと23歳と言う年齢。
普通なら社会人2年目の年だ。
ここで生まれる問題は、家賃である。
この家賃こそ、煮えたぎる悩みの種である。

現在、ペンキ屋でアルバイトをしている僕は4月から家に5万円いれている。
この5万円。
正直、驚くような金額ではない。
僕は月の収入が15万円程度であり、3分の1が消えるのは痛いが、母親が家事全般をやり、自分のベットもあるとなると安いものだと思う。

しかし問題は父親の生い立ちだ。
父親は22歳からサラリーマンとして働き出し、35歳になるまで実家で暮らしていた。
そしてその13年間で、月々家に入れていたお金は一律3万円である。

この話を聞いたときに一つ疑問が生じた。
父親より2万円アップの謎だ。
物価?関係ない 羽毛布団やから?関係ない
木造やなく鉄骨やからか?関係ないやろ!!!
なんでこちとら5万やねん!!!
これこそ僕の台所事情を騒がす、大きく小さな問題である。

僕は父親にサグリを入れた。
なぜ家に入れる金額は5万円なのか
そうするとかえってきた答えはこうだ
「お前には小学校の頃から教育に力を入れてきた。いい学校に行きいい会社に入る為に。せやのに学校を途中で辞めて芸人になると言い出した。芸人になるんやったら普通は家から追い出される。でも家に住ませたってる。ほな5万くらい入れなあかんやろ」

t'@まらなkk!!')))))ーーわーー

失礼。怒りで手が震えてしまった。
まず、父親の言うことは正しい。
小さい頃から教育熱心で、塾にも通っていた。
そして大学も途中で辞めた。
当時は奨学金だから辞めても迷惑はかからないと思っていたが、そんな問題ではないことも今はわかる。
僕のひっかかりはその後だ。
まるで[親の思いとは裏腹に、自分の好きなことをしている奴は家に入れる金も多くなる]という言い分だ。

それなら亀田興毅はどうなのだろう。
彼は幼少期から親と共にプロを目指しボクシングを練習していた。
結果プロになり、世界チャンピオンになり、大金を稼いだ。
結果親の思い通りになったのだ。
そんな彼が実家で暮らしていたとして
家に入れるお金は3万円
先程の父親論で言うとこれはオッケーなのだろう。
僕には理解できない。
なぜなら、実家家賃とは自立できる年齢であり、尚且つ職に就ついている。それなら収入にあった金額を家に入れましょうというのが僕の考えだ。
世界チャンピオンの年収からして3万円はあまりにも少なすぎる。
親の期待した姿と家に入れる金額に関係性はない。

おそらく父親の算段はこうだ。
(こいつはオレが3万しか入れてなかった事を知っている。5万円は普通だが3万円しか入れていなかったオレに言われてもということか・・・よし僕ちゃん閃いたぞ!芸人とかいう好きなことをやり出した!これでいこう
大学に行ける環境を整えたし、親としてできることはやった。なのにお前はその道を歩かなかった。完璧ジャン!天才カモ!
顔さえ小さければガリレオの主演にもなれたのになー)

3万円じゃないのはおかしい!
この反論を予測し、付け焼き刃の策を練ったとしか思えない。
父親の言うことは常識だが、明らかに自分を棚に上げて動いた点がひかかる。

無論、僕が値下げ交渉をすることはない。
冒頭でも伝えたように、決して高額を請求されているわけではなく、妥当な金額だからだ。
一度5万円の理由を聞いてからその話はしていない。
しかし2万円アップが気に食わない僕はこうすることにした。
その2万円を人間力だと認識することだ。
父親は家賃を渡される時毎回感じるだろう。
(こいつはオレが23歳の時より収入が低いが、当時のオレより2万円多く家に入れている)
たとえ思わなくとも問題はない。
僕は毎月渡し続けることで、23歳の父親ましては35歳の父親にまで、人間力で優っているのである。
毎月勝ち続けているわけだ。
父親が負けない方法もひとつある。
自分を棚に上げ、2万円多く請求したことに反省し、「来月から3万でええで」と僕に伝えることだ。
そう伝えられると僕はドビーのように縮こまり「ありがとうございます」と言うのみである。

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