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【第1回】小説を創る 「アイデア」 3

自由記述
 月を架ける猫(仮)ツキカケ、ツクカケ

 屑星様、始まりの猫、始祖
  存在であり、肉体は無い
 月渡りの儀(日蝕の間に行われる)
 地上猫と月猫との間で、記憶の交換を行う儀式。これを行うことによって、
 猫の太古の記憶を維持すること。
 人間との記憶を消し去ること。

 通常
 猫が、

 お父さんが、猫になった。
 頭に残すことができないのであれば、
 視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚に残せばいい。
 こうやって娘を守る。
 寂しい思いをさせない。
 忘れてほしく無い。

時間軸が二つ
小学校二年生の少女
 積み重ねる、父との思い出。
 部分日蝕によって、父との思い出を全て奪われる。
高校三年生の娘
 父がいたことすら知らない。
 手掛かりが、一つ、また一つと知らずに…。
 皆既日蝕、奇跡が起きる。
 大きな力によって、屑星のスターダストがキラキラと娘に思い出を見せる。
 思い出したわけでは無い。奪われて、溶けて無くなったのだから。
 ただ、娘は、父が存在したことを確信するに至る、
 そして、ただ一言「パパ、おかえり」END

 実は、自分のことを忘れてほしく無い父が、手掛かりを残していたのだ。
 きっと娘ならこうするだろうと想像して…

 初詣、月読神社、触覚?
 遊園地、膝の上、家で膝に乗る
 絵本、写真
 カレーの味
 授業参観、黒板見なさい
 キャンプ

*名前を取り戻すのかなぁ

 構成
 娘が鼓動するごとに、過去に行く?
 時間軸を行ったり来たりする。
 OP「パパ、おかえり!」少女
    足元に猫。
 ED「……パパ、おかえり」娘

猫が気まぐれなのは、記憶の書き換えを行なっているため。

*月読神社
 月渡りの儀など、月に住む猫の伝承で知られる。



☆月を架けた猫
 刻が満ちたとき、その猫は、月に架かる橋を渡った…

 基本プロット(Aパート)
 起)
 ある日、パパが猫になった。
 その猫は、言葉を喋り、パパのように振る舞った。
 まあ、こういう家族もありだよね。
 承)
 一緒に、遊園地、初詣に出かけた。
 授業参観にも来てくれた。
 カレーライスの作り方を教えてくれた。
 転)
 ある日、パパは、膝の上で喉を鳴らしながら言った。
「パパはね。そろそろお月様に帰らないといけないんだ。だから、もうすぐお別れなんだ……」
 結)
 その日、日蝕が始まった。
 薄暗くなり、屑星たちが月を目指す。
「必ず戻ってくる!」パパは言った。
 あれだけ涙が出ていたのに、どんどん乾いてゆく。
 日蝕が終わった。
 足元に見慣れぬ猫がいる。
「あれ? うち、猫飼ってたっけ?」

 基本プロット(Bパート)
 起)
 うちには、使っていない部屋がある。机があり、本棚には、ライターの専門書、税金の手引きなど並んでいる。母にも記憶がない。
 この部屋を「誰が」使っていたのかの。
 承)
 少女は、高校生になっていた。
 この娘には、父親の記憶がない。すっぽりと抜け落ちている、そんな感覚なのだ。
 宮司の息子から、「月渡りの儀」について教わる。
 最近、前世の記憶だろうか?
 知っているようで、思い出せない出来事が続く。
 転)
 皆既日食の日、娘は神社にやって来た。
 この日、ご神体が特別に公開されるのだ。それは、なんの変哲もない「岩」であった。ただ、大小合わせて二十ほどの、未だ解明されていない記号が彫られている。
 娘は、それに、触れた。
 脳に電撃が走る。
 読めるのだ。
 まもなく、皆既日蝕が、始まろうとしていた。
 結)
 娘は、なぞる……。
 完全に太陽が月影に隠れたとき、娘はつぶやいた。
「パパ、おかえり……」

 基本プロット(Cパート)
 起
 男は、ある日、自分が猫であることを悟った。それは物心ついた頃、唐突に理解した。
 承
 学校に上がり、就職して暮らすうちに、やがて自分の故郷が月でいずれは帰らなければならない運命と知った。人間の女性と結婚し、娘を授かった。やがて別れが来る。だが、家族に自分の記憶が残ればそれで良い…。
 転
 月から使者がやって来た。月渡りの儀の準備をすることなど、告げられた。
 使者は言った。
「お前の生きた記憶は、家族にすら残らない……」
 男は、忘れられる恐怖に慄いた。
 結
 ある日、月に隕石が衝突した。
 その影響で、姿までが猫になってしまった。
 月渡りの儀まで残された時間は僅かであった。
 戻る!
 必ず戻ってみせる。
 男の最後の戦いが始まった。

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