ろくなもんじゃない日常・捨てたもんじゃない人情 1
私(星野ひかり)は幼少期、ばあちゃんに育てられた。
ばあちゃんとじいちゃん、私の三人で暮らしていた。
ばあちゃんはすごく優しかった。じいちゃんは最悪だった。
海に面した河口近くの大きな橋のそばに、
同じ作りの平家が密接して長屋のようになっているところがある。
私たちはその端に住んでいた。
目の前には田んぼがあり、季節を感じさせてくれた。
私の中に残っている最初の記憶は、幼稚園の頃のもの。
その頃ばあちゃんは、家の横の通りを挟んだ、県道に面したところにある次男のおっちゃん夫