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アーユルヴェーダ・リトリート in スリランカ 13

コロンボの国際空港に到着すると、もともと聞いていた代金を、日本円で運転手に支払い、礼を言って別れた。運転手が私たちの荷物を下ろすや否や、私たちのスーツケースを、ポーターというビブスを付けた人が、奪い取ってカートに乗せた。別にポーターなんか必要ないんだけど、と思ったが、同じビブスを付けたポーターは大勢いたし、空港入場時のセキュリティなどもそのポーターは問題なく通り抜けていたので、仕方なく荷物を任せる。
ポーターは、お店などのエリアは無視してずんずん進む。私はお店を見たいのだけど、と思うのだが、どんどん行ってしまう。
途中でもう一回セキュリティを通ったが、そこでもポーターは問題なくセキュリティを通過する。すると、スリランカ航空のチェックインカウンターに到着する。

今回はほぼ宿にしか滞在しておらず、宿では誰もチップを渡していなかったと思うので無視していたが、スリランカにはチップの文化があるという。荷物を運んでもらったからには、チップを払わざるを得ないのだろうから、私は100ルピーを渡す。地球の歩き方にポーターへのチップは100ルピー程度、と書いてあったのを読んだからだ(ただし、地球の歩き方は、スリランカに関してはコロナ後更新されていないようで、ちょっとデータは古そうだったが)。
ところがポーターはチップは日本円で払えという。スリランカルピーでは受け取れないと。

ちなみに、今回あまり買い物はしていないが、この国ではいろいろなものの値段が、スリランカルピーではなく米ドル建てで表示されている。自国通貨が安くて不安定な国だからなのではないか。ちなみに半日観光ツアーの代金は日本円で支払ったのだが、日本円は米ドルに比べると、だいぶレートは悪かった。日本円も通貨としての価値が低下しているのだろう。

私は100ルピーで押し切ろうとしたが、ポーターは恰幅がよく、強欲そうな初老のおじさんで、全く譲る気配はない。ルピーなら1000ルピー払え、そういう決まりだ、と言って頑として譲らない。私が提示している金額の10倍ではないか!
夫は、ここまで順調に来られたのはポーターのおかげであるし、面倒だから1000ルピー払えという。私もこのクソジジイをやり込めるのは難しいと思ったので、仕方なく1000ルピー支払う。日本円で500円強だ。
空港内を5分ちょっと荷物を運んだだけで日本の所得に引き合わせると5000円くらいもらえるなら、私がその仕事をしたいくらいだ。実にいい商売だ。しかもクソジジイは日本円で1000円払えと言ってきた。2000ルピー弱ではないか。
1000ルピーがあったからよかったようなものの、なかったら私は日本円を払ったのだろうか。ルピーがないから払えない、と言って通じる相手ではなさそうだった。

海外ではこういうトラブルは付き物だが、宿泊施設が快適だっただけに、最後に嫌な目に遭った。まあ絶対額は500円ちょっとなのでまだいいが、不当なぼったくりは許せない。一歩娑婆に出ると、これだから嫌だ。楽園のようなところに滞在した後だったので、ギャップがより大きく感じる。(14に続く)

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