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満喫、シンガポール7

オーチャードの隣のサマセットの駅で降りると、夕食を取ろうとしていた店を探す。地下鉄の駅が、オーチャード・セントラルというショッピングモールに直結しているので、まずモールから出て、地図アプリでGPSの反応を見ることにする。

駅を出たとたん、GPSが目的地から離れるので、もしかすると目的地は駅ビルの中か? と当たりを付け、モールに入っているテナント一覧を見ると、目的の店がある。店を見つけることができてほっとする。
ちなみにそのモールには、てんやも入っていると書いてあるし、ユニクロも入っている。ユニクロに至っては、チャンギ国際空港内にもあったし、日本みたいに結構至るところにある。そして一階には、アンリシャルパンティエという、日本のデパ地下などでよく見かける菓子屋が入っている。シンガポールでわざわざ日本の菓子を買って帰ろうとは思わないが、妹が「ここのアンリシャルパンティエにしかない、シンガポールスリング味のフィナンシェがある」と言うので、見てみることにする。
すると驚いたのがその価格。フィナンシェが一つ2.5ドル(約275円)と書いてある。アンリシャルパンティエのお菓子は、手頃であると言うのが私の印象だ。よく覚えてないが、フィナンシェは日本で買うと、1個150円くらいじゃないか。もしかして、最近海外でよく経験する、日本ほど物価の安い国は少ない現象が、ここでも発動しているのだろうか?

目的のトン・ロック・シーフードという店は11階にあるが、妹が、エレベーターではなく店の雰囲気を感じながらエスカレーターで上がりたいと言うので、面倒くさいな、と思ったものの、そうした。
トン・ロック・シーフードは、いわゆる中華料理店に見える。人はそこそこ入っている。高級な店だったら会計が怖いが、あれこれ考えるのは疲れたし、妹はお腹がすいたと言っていたので、とにかくそこに入ることにする。
私の目的はチリクラブという、カニを煮付けたシンガポール料理だ。メニューを見るとデカデカと、写真とともに紹介されているので、看板メニューの一つなのだろう。
問題はオーダーの仕方だ。カニの種類も何種類かあるみたいだし、ソースの種類も何種類かあるみたいだ。おまけにチリクラブは、100グラムあたりの値段しか載っておらず(確かグラム11ドルだったと思う)、どうやって頼んだらいいかよくわからない。疲れているので面倒くさくなって、私は単にチリクラブ、と注文したら、それだけでちゃんと欲しいものが出てきた。だとすると、あのカニの種類を選ぶとか、ソースの種類がいろいろあるだとかは何だったのか?

ピリ辛のチリクラブにはビールだ。頼もうとすると、地元のタイガービールが一杯11ドル(約1210円)と書いてある。昨年オーストラリアに行った時も同じことが起きたが、日本の感覚からすると高い。日本だとビールは1杯500〜600円で、ちょっと高めな店だと700〜800円という印象だ。やっぱり海外の物価は高いのね、と、もはやカルチャーショックさえ感じずに受け入れる。

そのうちにチリクラブが運ばれてくる。皿が大きくソースがたっぷりで、カニも大きい。美味しそうだ。エプロンを付けて、カニと悪戦苦闘しながら食べ始めるが、そのうち前回食べた時の記憶が蘇り、備え付けのビニール手袋やハサミなどを使って、手づかみで大胆に食べることを思い出す。
ソースは揚げパンのようなもので拭って食べたことも思い出したが、メニューには見当たらないようなので、パンのようなものが欲しい、と店の人に言うと、「マントウ?」と聞かれる。なんのことだかわからないが、響き的に饅頭のことだろうと当たりを付け、イエスと答えたら、イメージ通りのものが出てきた。

酒豪の妹が、カニに夢中だったのか、ビールを1杯しか飲まなかったのが不思議だった。お会計は2人で159.7ドル、日本円で17947円のカードの請求が来ていた。ちなみにシンガポールでは、消費税9%と、サービス税だかなんだかが10%、計19%が会計に上乗せされる。チップは必要ない。

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