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【日本語教育の必読書】『新 ここからはじまる日本語学』 感想

素敵な本でした!!

2016年初版(原著:1997年)

日本語学についての学習の一環として読みました。

結論

結論としては、日本語についての入門&復習にぴったりな本だと思いました。

この類の本において最も重要なことは、「詳しい」ことでも「わかりやすい」ことでもなく、「挫折せずに最後まで楽しく読めること」だと思っています。

その観点からこの本は100点満点だと感じました。

(その内容の良さに感動して私はすぐに感想を書きたくなってしまいました笑)

こんな人におすすめ

  • 日本語教師を目指す方(特に、日本語教育能力検定試験合格を目指す方)

  • 日本語学を学ぼうと思っている方

  • 漠然と言語に興味がある方

本の紹介

本の目次はこんな感じです。
日本語について、基本的な考え方を文法・音韻・文字など様々な観点から紹介したものになっています。

1 日本語学の視界
2 日本語の音声・音韻
3 日本語の語彙
4 日本語の文法
5 日本語の文字・表記
6 日本語の位置

良かったこと

・つかみがばっちり

どの章の初めにも「ここからはじめよう」という、身近な問題提起をする項目があり、日本語の世界に引き込まれます。

例えば「第2章 日本語の音声・音韻」の冒頭では、「カミ」「ッコウ」ということばを発音するときに鼻声がかかった音とそうでない音のどちらで発音しているかということを読者に問いかけられます。

いきなり「」の発音には鼻濁音と濁音の2種類があります、と紹介されるより話題に入りやすいですね。

・面白い

(funny ではなく)interesting の面白さを感じました。

例えば「第5章 日本語の文字・表記」では当用漢字(現在の常用漢字)が制定されて以来、当用漢字から外れた文字の書き換えが行われたことが書かれています。

そこでは坐礁と座礁、陰翳と陰影のように書き換え後が定着したものだけではなく、蒐集と収集、叛乱と反乱のような、書き換え語が中心になりつつも使い分けがなされた語が紹介されています。

社会ではどのような使い分けがされていて自分はどのように使っているか考えるのがとても面白かったです。

気になったこと

・馴染みがない話がある

日本語学(または日本語教育)の知識0の方だと、ところどころ馴染みがない話題があり、読むのに時間がかかるかもしれません。

その場合はいったん飛ばしてもOKだと思います。

最後に

この本に出会えて本当に良かったです!

ぜひ読んでみてください。






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