細胞
★細胞
生物はその名の通り「生き物」を理解しようとする学問である。
では、生き物とは何だろうか。
この問題は定義の話なので、みんなが納得できる生き物の特徴を答えればよいはずだ。
大まかには次の4つが挙げられるだろう。
①細胞 ②増殖・成長 ③代謝 ④進化
これらの特徴や性質を備えていれば生物と見なせそうだ。
すなわち、生き物を理解するとはこれらの特徴や性質を知ることなのだ。
●細胞
生物の構造や機能を支える最小単位。
どんな生物も細胞から成る(細胞説)。
生物とは細胞である。
ゾウリムシなど単細胞生物は言うまでもなく、多細胞生物も元は1つの細胞(受精卵)だからである。
従って、細胞を知ることが第一である。
そして知るとは分けることであり、比較することである。
だから、構造や機能と行った観点で分けること、比較することが生物学では重要となる。よって、細胞も真核細胞と原核細胞に分けて考える。
これらのサイズは次のような感じで異なっている。
なぜ異なるのか、どこが違うのか?それを扱うのが細胞生物学である。
ウイルス 数十~数百nm
原核細胞 数μm
真核細胞 数十μm
・ 細胞を構成する物質
細胞が生きる(活動する)ためには装置と燃料が必要である。
タンパク質…
アミノ酸がつながった鎖上の重合体。複雑な立体構造をとる。
細胞の主成分と言える。構成元素はC、H、O、N、S。
Sはシステインの側鎖(-SH2)等に含有。
アミノ酸同士の結合はペプチド結合(-CONH-)と呼ばれる
核酸…
ヌクレオチドがつながった鎖上の重合体。
遺伝情報の保管や読み出しに関わる。
構成元素はC、H、O、N、P。
リン酸ジエステル結合でヌクレオチド同士が結合。
多糖…
単糖がつながった鎖上の重合体。
エネルギー源であり植物の細胞壁の主成分。
構成元素はC、H、O。
脂質…
脂肪(中性脂肪)やリン脂質。エネルギーの貯蔵や細胞膜の主成分。
構成元素はC、H、O、(P)。リン脂質にはPが含まれる。
無機塩類…
イオン類。
ヘモグロビンに含まれる鉄イオンや体液中のナトリウムイオン等。
Na、 K 、 Cl、 Ca、 Fe、 Mg、 Zn、 Mn、 Coイオン等。
N、P、Kは肥料が含む三大元素。
水…
水素結合に由来して様々な特性をもつ。
① 溶媒として機能し、化学反応の場となる。
② 比熱が大きく温まりにくく冷めにくい。気化熱も大きく放熱作用が高い。
③ 高い凝集力、光合成の材料、4℃で密度が最大になる。
・ 細胞小器官
細胞内を区画化し代謝や生命活動を効率化する。
細胞の種類に応じてその量や配置、種類が異なる。
必要な物を一か所に集める。これは効率化の第一歩である。
生物が生き残るためには無駄を省き効率よく作業をすることが重要である。
・原核細胞
細菌類とシアノバクテリア
① 核膜に包まれた核を持たず、小さい
② 細胞膜、細胞壁、リボソームを持つ。
③ よくでるのは細菌とシアノバクテリア
細菌…
酵母菌や粘菌などの菌類以外で何とか菌という生物
⇒ 酵母菌は細胞壁をもつ真核生物
シアノバクテリア…
ユレモ、 アナベナ、ネンジュモ
⇒ 光合成ができる細菌。
サイズの小さな原核細胞では細胞小器官を発達させなくても必要な物が一か所に集まる。そのため十分に活動(代謝などが)できる。しかし、サイズが大きくなるとそれが途端に難しくなる(拡散の性質)。
・真核細胞
核膜に包まれた核を持つ細胞。様々な細胞小器官を持つ
① 二重膜構造の細胞小器官
・ 核…
二重膜の核膜が染色体を包んだ構造体。
核膜には核膜孔という穴が多数存在する。
内部には核小体が1~数個ほど存在する。
内部を満たす液は核液と呼ばれる。
・ ミトコンドリア…
内外で膜の成分が異なる。呼吸の場であり、ATPを産生する。
・ 葉緑体…
内外で膜の成分が異なる。
光合成の場であり、糖(グルコース)を産生する。
② タンパク質の合成や分解、輸送や分泌に関わる細胞小器官
・ リボソーム…
mRNAに基づいてタンパク質を合成する。タンパク質とrRNAから成る。
・ 小胞体…
物質輸送やタンパク質の品質管理を行う。
粗面と滑面小胞体の2タイプがある。
分解・解毒、 脂質の合成等を行う。
・ ゴルジ体…
分泌物の修飾及び分泌(エキソサイトーシス)、
リソソームの形成に関わる。
・ リソソーム…
消化酵素、分解酵素を多く含み細胞内消化をおこなう。
・ 液胞…
植物で発達。
消化酵素や無機塩類、糖、アミノ酸、アントシアンを含む。
細胞の立体構造や浸透圧調節に関係する。
内部の液は細胞液と呼ばれる。
・ タンパク質の輸送
遊離リボソームに mRNA結合
(1)小胞体シグナルあり
⇒ 小胞体結合
⇒ 翻訳
(2)小胞体シグナル無し
⇒ 翻訳
⇒ 輸送
③ その他の細胞小器官、細胞構造
・ 中心体…
主に動物細胞に存在(コケ、シダ、イチョウ等では精子形成に必要)。
星状体として紡錘体の起点となる(分裂に関与)。鞭毛の形成にも関与。
・ 細胞壁…
植物に存在。主成分はセルロース。
細菌、酵母などにも存在するがその成分は異なる。
細菌はペプチドグリカンで酵母はキチンやマンナン等の多糖。
・ 細胞骨格…
細胞内部の支持や物質輸送、細胞の運動に関わる。
3種類に区別できる。
太さの順に
(1)微小管、(2)中間径フィラメント、(3)マイクロフィラメント
(1) 微小管
・ αとβチューブリンからなる2量体が基本構造。
それが多数つながったシリンダー状の構造。
2量体が直列に着いたり取れたりすることで伸縮する。
・ 分裂時はその伸縮作用で染色体が移動する。
・ 物質輸送にも関与(キネシン、ダイニン)。
(2) 中間径フィラメント
・ 細胞の形態維持や細胞同士の結合に関与。
ケラチンなど
(3) マイクロ(アクチン)フィラメント
・ アクチンというタンパク質が多数つながった構造。
・ 筋肉の収縮や細胞運動、物質輸送(ミオシンの働きが重要)に関与。
●細胞膜…
情報や物質のやり取り、エンドサイトーシス、エキソサイトーシスに関与。
流動モザイクモデル
細胞膜の構造モデル。リン脂質の間にモザイク状にタンパク質が分布する。
・ 細胞膜を介した輸送
①受動輸送…
濃度勾配のエネルギーによる輸送。
濃度の高い方から低い方へ物質が移動する。
物質により膜の透過性は異なる。
小さな疎水性の物質や特定の物質が輸送される
・ 受動輸送に関わる膜タンパク質 (膜輸送体による輸送) …
チャネルやキャリアー(担体)等のタンパク質。
これらが大きな分子やイオン等、特定の物質の輸送を行う。
②能動輸送…
ATPのエネルギーを利用した物質輸送。
ポンプと呼ばれる膜タンパク質等が行う。
ちなみに細胞内での小胞輸送もATPを利用している。
選択的透過性…
細胞膜の性質。
膜タンパク質(チャネル、キャリアー、ポンプ)の機能の結果。
本来はリン脂質の膜を通過できない特定の物質が細胞膜を透過すること。
・ 浸透圧…
溶媒のみを透過させる膜を半透膜という。
濃度の異なる溶液を半透膜でしきると濃度差が小さくなる向きに溶媒の移 動が起きる。この水の移動を浸透と言い、その原因となる力を浸透圧という。これは濃度に比例する。要するに浸透圧とは溶媒を引き込む力。
ただし、見かけの力。
動物細胞では 吸水力 = 細胞内液の浸透圧
植物細胞では 吸水力 = 細胞内浸透圧 - 膨圧(膨らむ向きに働く力)
膨圧とは細胞質が細胞壁を押す力。膨らむ時に生じる外向きの力。
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