女の友情はハムより薄い説をへし折りたい

私は友情物語がかなり好きである。

直近で触れたコンテンツだけでも、良かったなあ〜と心に残ってるのは友情要素があるものばかり。

今年放送されて話題になっていた、ドラマ『ブラッシュアップライフ』も、

世界的大ヒットのインド映画『R R R』もよかった。

『スキップとローファー』なんて、ほろりと涙した。

7巻で泣いた。

『ちいかわ』も、友情を感じるエピソードにグッときてしまう。

学生時代まで県外の引っ越し経験ゼロでずーっと地元で暮らしていた私だが、今は人生の転機を迎えて地元から離れた遠方で暮らしている。

物理的に離れてしまうと、疎遠フラグがビンビンである。
夫が気を遣って、帰省しなくていいのかこまめに聞いてくる。
SNSは数年前に絶ってしまったから、近況はまるで分からない。

いま、私と友人たちを繋ぐものはLINEのみである。
完全に途切れないで関係を維持するなら、わたしの行動力と積極性が問われる。
こいつになら時間を割いてやってもいいかなと思われる人間力も同時に試されているように思える。

私は社交性と積極性に欠けているので、友人関係は狭く深い傾向がある。
基本的に波長が合いそうな人としか関わらなかった。
今となっては、もっといろんなタイプの人と関わってみても良かったかなとも感じる。

女性中心の環境にばかり身を置いていたので、私の友達は圧倒的に女友達だ。

中高生のときは、手作り要素のある凝ったプレゼントを渡したこともあったりしたなと思い出す。謎のサービス精神がはたらいて、時間とか予算とか色々と吹っ飛んだりしていた。

私は学生時代ろくに恋愛に触れてこなかった為、対人エネルギーを友人に全振りしていた。

さまざまな有益情報とか口コミを教えてくれるのはいつも女友達だったし、私の趣味嗜好を把握した上で教えてくれるその情報にはハズレがない。

美味しいお店や良い化粧品、かわいい雑貨とか面白いコンテンツに至るまで、ほんとうに色々な情報交換をしていた。

自分の中で定着しているお気に入りのあれもこれも、そういえば、あれを教えてくれたのってあの友人だったなと、ふと思い出す。

嬉しかった言葉とか励ましの言葉とか。
さりげない引き算の優しさとか。
私のちっぽけな頭では到底出てこない、着眼点や発想とか。
一緒に遊んだときに面白く撮れた写真とか。

こういう思い出は、記憶の引き出しの取り出しやすい場所にしまっている。

友人との他愛のない会話でしか得られない栄養が確かにある、と思っている。

今でも友人の言動を思い出し笑いする。
私が持ち合わせていない長所を持つ友人たちを思い出しては、手本にしたいと思って憧れている。
受け取った恩や優しさに対する感謝は、忘れたくない。

大人になっていくにつれて、変わったところと、いつまでも変わらないところと。
重なり合わない部分があっても、それはそれで良い。

わたしは今も相変わらずしょうもないことが好きで、毎日毎日くだらないことばかり考えているよ。
あ、でもね、ファッションの趣味は変わったかもね。意外でしょ。

いまは離れたところで暮らしているけど、嬉しいときや悲しいときにパッと向かえるくらい、できるだけ身軽な自分でいたいと思う。

学生時代の友人関係なんて、たまたま同じクラスやコミュニティで出会っただけの、たまたま同じ電車に乗り合わせただけのような、一時の通行人に過ぎないと言う人もいるけれど。

日々を忙しく生きる友人たちの生活を尊重したいから、なかなか昔みたいに脈絡なしにメッセージを投げつけることは躊躇ってしまうけれど。

それでも。

過ぎていった友情の日々が今も私の底で支えてくれている。
どうしているかな、彼女らしく元気にしているといいなと、いつも思うよ。

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