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お帰りなさい、金木犀❤️

庭の金木犀が、やっと咲いた。
いつもなら、9月の半ば過ぎには咲くので、今年は暑かったから咲かないのかななんて勝手に思っていた。だから、数日前に小さな蕾を見つけた時には嬉しくて、毎日観察していた。今朝、窓を開けると、金木犀の香りがふわっと流れてきて、思わず、お帰りなさい!と言っていた。

我が家は奥まっていて、金木犀も小ぶりだけれど、舗道に面して、とても大きな金木犀のあるお宅がある。花の咲く時季には、わざわざ遠回りして散歩してそこを通る。その道を歩く人達は、皆んな金木犀の香りに惹かれて集まっているみたいに思える。甘くて優しい香りに、何か心の底から安心する。晴れた日もいいけど、どんより曇った日は香りが一層強い。オレンジ色の花々が舗道に落ちて、雨に濡れてしっとりしているのも綺麗で好きだ。今日はそこを歩いてみよう。

「椿の庭」という映画を先日配信サイトで観た。
とっても素晴らしい心に沁みる美しい庭の映画だった。よく手入れした美しい庭を作ることは、植物の色や形や香りを楽しみながら、そこに住む魚や虫なども含めた生物達のパワーみたいなものを全身で浴びて季節を巡ることになっているのかもしれない。
そして、お客様や通りすがりの知らない人にも四季の移り変わりを楽しんでもらおうという気持ちそのものが、たくさんの人にパワーのお裾分けをしているのかもしれない。

大きな古い庭園に行くと、昔の人から力をもらったようなでーんとした気分になる。そんなことが、住宅街の散歩でも、少しだけ味わえているような気がしている。全く知らない人達とのありがたくて不思議な繋がりだ。

やっと過ごしやすい陽気になって、金木犀が帰って来た。もちろん、去年の花と今年の花は別物だし、
金木犀の木はいつもそこにいてくれているから、お帰りなさいはおかしい。でも、金木犀にはなぜか、帰って来てくれてありがとうと思ってしまう。
そんな気持ちで、しばらくあれこれ楽しませてもらうことにしよう。🍁

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