夫婦間の格差について思うこと
我が家は、歳の差夫婦。夫が5歳超歳上。
入社は私の方が早いのに、夫の方が管理職になったのは早かった。
能力の差である事は、一緒に働いてきてよく分かってはいる。
彼が管理職になって、責任者になったのは、私が第一子の育休中だった。
育休中だったから、お祝いのスーツを一緒に買いに行った。
その時は生まれた子どもが可愛くて、初めての育児に苦戦しつつ毎日赤ちゃんを堪能して、正直、夫との差は考えなかった。
考え始めたのは、復帰後。
復帰したら、夫は、管理職ポジションにいた。
会社での扱いが変わっていた。
復帰して、前は肩を並べていたと思っていたのに、相手がはるか先にいる事に気づいて、戸惑った。
復帰後、ワタワタしているうちに、2人目の妊娠が発覚。これは、夫婦で話し合って決めた事ではある。
夫が高齢なので、なるべく早く産み育て上げないと、後が辛い、と相談していたのだ。
私もそれには同意した。自分が年子で楽しかったし、歳が近い方が良さそうだとも、思っていた。
復帰の年終わりにまた産休と育休。
また仕事を休む。
彼とはまた差がつく。
2人目の育休を終えて復帰した。
1人目の妊娠から、約4年。
そりゃ、変わるよね、と思った。
夫は、順調に階段を登っていたので、復帰後、時短勤務の私と、2倍の差がついていた。
夫婦だから、入ってくる財布は同じ。
だから平静は保てたけれど、自分の職業人としての存在価値が、急に薄れたような気がした。
それまで、歩合給で働いたこともある営業職の私は、給与を増やす、多い、ことが、自分の業務評価、存在価値だと思っていた。
時短勤務の給料は、産前と比べ著しく下がっていた。
残業も出来ないし、家でやっても出ない、勤務時間は少ない、実際、産前はかなり残業していたので、労働時間も給与も、体感では半減だった。
子どもに何かあり、仕事を休まねばならなくなった日、夫に休んでくれ、とはお願いしにくかった。
彼の方が重要な業務をしている、給与を稼いでいる、ポジションは上だし、、、と考えて言い出せなかった。周りの人も夫が休まない事に理解があるし、私が休むことを納得してくれるありがたい環境だった。
そうなると、毎回、仕事に穴を開けるのは、こちらになる。当たり前のように思っていたけど、本当は違った。
途中で違和感を拭い去れなかった私は、夫に訴えた。
優しい人なのでハッキリは言われなかったけど、自分の仕事の重みと私の仕事を天秤にかけた、と思った。交渉、営業、という私の仕事への理解はあったはず。。。
仕事のやりくりがどうしても出来ずに頼んだ時、「俺は休めないよ」と言われたのは、まだ覚えている。
彼も責任者に成り立てで、とても大変そうではあったし、状況も分かってはいた。
それでも、時間が経っても忘れてないのだから、その発言はよほど心に残ってしまったんだろう。
俺は休めないよ。と言われて、あの時何かがプツッと切れた気がした。。。
あの時、あぁ、今までのようには働けないんだな、と本当の意味で、体感したのかもしれない。
しかもこれ、子育て終わるまで、ずっと続くんだぞ、と。
自分だけで、100%自由に働ける時間はもう一旦終わったんだ、常に誰かの都合を見ながら、働かなきゃならない、誰かにお願いしなきゃ満足に働けない、夫にすら断られるような程度の仕事しか出来ないんだぞ、と。
上手く言えないけど、それまでとは全然違う世界にきたんだな、と悟ったのだ。
令和の子育てからは、ほど遠いかもしれないが、我が家は基本的に、平日はワンオペ。
夫は平日は、青天井で残業する。
どうしても頼みたい日は、予め依頼が必要。
彼の仕事が都合がつけば、お迎えは頼める。
フェアではない環境を、大した話し合いもせず受け入れている状況になった。
彼は青天井で仕事ができる。
一方私は、自分以外の制約が大きい。
夫婦間の環境差は広がるばかり。
残業、したい訳でもない。
育児、したくない訳でもない。
でも、どちらにも100%全力投球出来ない状況に慣れていないし、受け入れた訳でもない。
なんだかなぁ、と葛藤してきた。
休むたび、休むたび、その度に。
そうやって、働き続けて、早、6年。
保育園を卒業し、2人とも小学生。
ワンオペが辛かった時期もあるけれど、今は大分慣れたし楽になってきた。
休むことも少なくなってきた。
今も感染症が流行ったり、風邪を引いたり、学級閉鎖!があったりして、急に休む事はある。
そんな時、今は、冷静に対処出来ている。
まずは夫に連絡。
アポイントの時間、移動時間まで、細かく確認しながら、どちらかが対応出来ないか、予定を確認しあう。
やりくり出来そうなら、途中でスイッチする。
時間がギリギリで、子どもと駅まで行って、スイッチした事もあったな...。
それでも難しい時は、外部リソースを使う。
優先順位を決めていて、順番に相談していく。
夫の両親、緊急時のファミサポさん、ベビーシッターさん。
大抵はこの辺りで大丈夫。
手を尽くしても難しい場合や頼みたくない場合は、自分が休む。
この時の気持ちは、
「事故にあったとでも思って休む」
誰だって、事故に遭って動けなかったら、仕事は休まざるをえない。
(インフルエンザ位だと、家からリモート出来てしまうので、それでは弱いから、強めの言葉になってはいるが、そんな感じ)
幸い、うちの子達は、あまり熱を出さないので、年1回から3回ほど事故に合う程度で済んでいる。
その位だと、普通に大人だけでも休む人はいる、という感覚。多かったり増えてきたりしたら、どうかなぁ、とは思っているけど、その時はその時、と考えている。
復帰後6年、今の夫との給与格差、環境格差は、まだまだ埋まらない。
私が働き方を変えたせいもある。まだ時短勤務を継続しているせいもある。
管理職になったのに、残業はしていない。
相変わらず、夫は平日、好きなように働いている。
それでも、給与格差は、少しずつ少しずつ、自分の仕事が認められてきたのと彼の方が伸び率が鈍化?してきたので、
2倍→1.5倍くらいになった。
労働時間当たりの単価は、更に縮まっている。
彼は歳上なので、いつか役職定年があったり、仕事を退職する時がくる。
私が働き続けていれば、その時には確実に逆転する。
だからなんだ、という訳でもないけど、今の現実だけを見るより、未来を想像した方がいいな、と思えた。
育児も、自分の気持ちため落ち着いてきたんだな、と思った。
低空飛行の時期があっても、飛び続ければいつか浮上できる。
それが、今実感している事。