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Yellow Magic Orchestra を聴く Vol.2

PUBLIC PRESSURE

1979年に実施された第1回ワールドツアーのロンドン公演4曲、ニューヨーク公演3曲、及びアメリカのグラムロックバンド、チューブスの前座として、ロサンゼルスで演奏された1曲を収録。

このツアーには細野晴臣氏、高橋幸宏氏、坂本龍一氏の他、3名のサポートメンバーが参加していたが、所属レコード会社による大人の事情で、渡辺香津美氏のギターが全面カット。その代わりとして坂本氏がシンセソロをオーバーダブしているのだが、ある意味その素晴らしいプレイが、このアルバム価値を高めてしまったという皮肉な結果を生み出している。

どの曲もスタジオヴァージョンとは全く異なるアレンジで演奏されているが、ハイライトは何といっても3曲目の " Tong Poo " そして4曲目 " The End of Asia " の2曲。
特に " Tong Poo " はスタジオヴァージョンとは違い、ドライブ感あり、スリリングなシンセソロありで、そのドラマティック感は正に鳥肌ものである。
また " The End of Asia " においても、後半のギターソロから差し替えられた坂本氏のシンセソロは、しっかりと構築された流れるような旋律で、その美しさは感動ものだ。

Release : 1980
Category : Electronic
Total Time : 42:43
Country : Japan

LIVE AT GREAK THEATER 1979

こちらは " Public Pressure " に収録された、ロサンゼルス公演のおそらく完全盤。もちろん渡辺香津美氏のギターテイクもそのまま収められており、
" Cosmic Surfin’ " の聴き比べはとても興味深い。

注目はまず " Rydeen " 、おそらく最初期のライブテイク。
坂本氏の奏でる主メロにおいては、若干の遊びが所々盛り込まれており、一味違う興味深い演奏となっている。
またブリッジの部分は幸宏氏のシンセドラムソロが披露されず、ややシンプルな構成。

そして " Thousand Knives " 、こちらは香津美氏のキレッキレなギターソロはもちろんのこと、坂本氏のアープ・オデッセイを駆使したシンセソロも、本当にアドリブかと疑いたくなるような、美しくスリリングなメロディを奏でており、後世に残る名演と断言できる。

なおこのライブ公演の映像は数曲残されており、私はテレビ埼玉のスーパーサウンドシティで鑑賞した記憶あり。
赤い人民服のメンバーと巨大な機材の群れ、テクノと言いつつも実にテクニカルな演奏を披露するその姿に、多くの日本人が感動を憶えたはず。

Release : 1997
Category : Electronic
Total Time : 35:09
Country : Japan


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