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創薬のボルトならんと競い合い

 コロナワクチンの開発競争、すごかったですよね……。今、振り返ると、ウサイン・ボルトのような金メダルリストならんとトラックを猛ダッシュしているような感じでしたね。

 ところで、先日、ワクチン陰謀論なるものがあると知りました。
その話にきっと「冷静になれよ、お前ら」とため息を吐いている人は多いでしょうね。
 儲けたいがために製薬会社が副作用を無視して急いで市場に出したとかいうのは、まだ話に筋がありますが、「人類削減計画」説は、もう新手の陰謀論宗教家と思いましたよ。

 元々、ワクチンというものは副作用が起こりうる可能性のあるものです。インフルエンザワクチンだってそうです。
 私は、子供の頃、予防ワクチンを打って発熱し具合が悪くなった前科があるので、学校でインフルエンザだのなんだののワクチン接種の際は、いつも一人ぽつんと教室で居残りしていました。
 そういうわけでコロナ騒ぎが起きる前から、インフルエンザのシーズンも予防ワクチンは打ったことがありません。マスク、手洗い、うがいのアナログ手段で徹底自衛です。一冬、人前ではマスク常時着用です。笑っちゃうような話ですが事実です。ワタクシ、やっかいな「持病」があって、激しく咳き込むということが二次的に持病をヤバくするので、インフルエンザどころか風邪を引かぬよう気を付けてます。もし、引いたら悪化せぬよう素早く初期退治です。
 もちろん、コロナワクチンは接種していません。自分の場合、リスク高すぎて……。
 もっとも、コロナワクチン接種予約開始直前にひどい膀胱炎にかかり、ようやく治ったと思えば、ひどいアトピーが発生して、ワクチンどころではない状態が続きまして、完全に蚊帳の外でありました。

 どうでもいい私事はさておき、コロナワクチンに関しては、創薬と接種開始を急ぎすぎた感はやっぱりします。確かにビジネス的に開発早い者勝ちの風潮があったことは否めません。
 それはワクチンに限った話ではないですけれどね。それが経済を回している部分もあるから、単純に批判非難もできないところもあり。
 ただ、コロナワクチンに関しては、メーカー側も我先と急いだが、世間や社会も「早よ、早よ」と急かした。コロナ禍で経済鈍化どころか停滞して、コロナ罹患で病死のほかに、経済難死となりそうで全人類が慄いた。国家も急がせた。各国の威信もあった。早くワクチン開発できれば、他の国にプライドでも勝利し、経済面でも抜き出られると思ったからだ。
 結局、みーんなの思惑が「わーっ!」となって急いだのである。正直、仕方のない面もある。だって、生きるか死ぬか的な風潮が全世界的にはびこっていたもん。今生きている人類には、SARS以上のパンデミックなんて未体験ゾーン。みーんな、大なり小なりパニクっていた……。

 ワクチン人類削減陰謀論には、どうも高齢者を優先接種というところに引っ掛かっているようなところもある。労働力とならない者が多い層、むしろ長生きして年金の財源を減らしていくだけの層、介護に貴重な労働力を持っていく層を減らしちまえってことだろうか。
 だとしたら、医療従事者優先接種は何なのだ。辻褄が合わない。彼らが減ったら困る。
 第一、もし、高齢者のワクチン接種を後回しにしていたら、今度は世間様や社会様が弱者いじめと盛んに批判非難するだろう。で、その場合は、面白いことに陰謀論を説くような人たちが急先鋒となってド突き上げるんだよ。

 そう思うと、陰謀論って、何だか鬱憤や鬱屈のはけ口とするための理由付けっぽいところがある気がしてくる。
 もし、そうなら「冷静になれよ」って言ったって冷静になんかならない。だって、彼らの心は冷静になりたくないんだもん。

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