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【中華ポップスで翻訳練習】最後的温柔

 日本語として、歌詞として、できるだけナチュラルな翻訳にトライしてみました。
 結果、意訳しまくり……。
 素人芸なのでお粗末なのは、練習中ってことでご勘弁下さい。


※原文の歌詞は、上記動画の「もっとみる」をクリックすれば出て来ます。

(和訳)最後の優しさ

この冬を最後にしよう 冷めた情熱は過去に仕舞おう
北風の中 離れがたくても
冷たい手に 最後のぬくもりを
君にわかってもらえなくても

この冬を最後にしよう 僕たちの関係はもう終ってる
過去には戻れない
すがるような瞳に 最後の優しさを
僕はもう君を受け止められない

言い訳さえせずに 未練なく去って行く僕に
君の瞳がまだ愛していると告げていたけれど
これが最後 ぬくもりと優しさを 


 この曲、すげぇ懐メロでございます。1980年代半ばに台湾で流行っておりました。
 当時の台湾ポップスは、歌詞に1番、2番なんてなく、1番(と言っていいのか……)の繰り返しを2回歌ってました。
 原文の歌詞を見れば、中国語がわからなくても漢字のわかる日本人なら何となくわかるのですが、この歌のキモは、「冬」「氷」「温」「柔」……と寒さや冷たさを表す言葉と暖かさや柔らかさを表す言葉がコインの表と裏のように絶妙の配分と配置で表現されていることでしょう。

 ぶっちゃけ、この歌は、もう冷え切ったカップルの別れ話なんでございますね。
 男がもう別れようとクールに告げ、女は未練を滲ませている。男の方にもう恋情はないんだけれど、冬の寒さとあいまってそんな女に情けがわくのだけれど、でもズルズル同情心に引きずられて関係を続けていてもしかたがない。それは互いにとってよくない。女が男を冷たいヤツとすっぱり諦めるように、言い訳せず、自分を取り繕わず、あっさり女の元を去って行くのも優しさなんだ。
 そんなイメージの歌です。もちろん、私の個人的、かつ、勝手なイメージです。

 「温柔」という言葉が実のところ訳すのに一番悩みました。
 「温柔」の意味は、暖かさ、温もりのある優しさとでもいいますか、(日本人とか)漢字ネイティブなら見て抱くであろう字面のとおりの意味なので、直訳すると「温情」で事足りるかなって思うのですが、歌詞の中に埋め込んでみると、事務的すぎて何か違うと感じてしまって悩みました。
 「これも最後の温情だよ」なんて、上から目線過ぎ。「君ぃ、僕の温情だよ。ありがたく受け入れたまえ」と昭和少女漫画の傲慢俺様金持ちモテ男キャラが頭にわいてしまった。なんや、逆に優しさの欠片もねぇわ。とか思ってしまいまして。

 ……という訳で、上記のような珍訳ができあがったんでございます。私にはこれが限界でした。歌の男と違って、私は言い訳タラタラ……。
 お粗末でございました。

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