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麻雀69:ボーダー争いは風林火山に軍配【2023−24Mリーグ#15】

ビースト、大健闘の7位

ビーストが残り4戦となった3月25日終了時点でのボーダー・風林火山とのポイント差は約140p。

これが最終戦を終えると、360p以上の差が開いての決着となった。ビーストとしては、風林火山の強さに完敗といったところだろう。

ビーストは残り4戦を大介→猿川リレーを繰り返し、ダブルエースとして期待した両選手に、チームの命運を託す格好となった。
すなわち、ポイント差を考えれば、トップがどうしても必要な局面であり、その可能性が最も高い選手は大介と猿川だろう。とくに、大介はツボに入れば一戦でひっくり返すほどの爆発力を持っている選手だけに、逆転を狙うチームからすれば、どうしても期待してしまう。
結果は振るわなかったものの、ファンとしてはすごく納得感のある采配に感じた。

「たられば」があるとすれば、大介に代えて菅原が登板していたら、どんな未来になっていただろうか。オーディションを勝ち抜いた菅原の勝負強さを発揮する機会がなかったことは少し残念でもある。

最終戦を終え、キャプテン猿川の口からはすでに来季への決意が聞かれた。初参戦チームにとっては苦しいシーズンになることは確実な状況な中、短いシーズンでも「麻雀プロとして有意義であった」との言葉を繰り返した。チーム全体にとっても、文字通り「有意義」であったと一ファンとしても思う。

・初戦に魅せた、大介の鮮烈デビュー。
・チーム初トップは菅原。その後、序盤は菅原がチームを牽引。
・キャプテン猿川の不調とともにチームが沈み、一時はダントツラスのポジションに。
・しかし、やはり猿川の復調とともに、チームが浮上。中心選手の調子が色濃くでることを痛感させられる。
・大介がハイゲーム賞となる8万点越えのトップ(その後、たろうに更新される)。
・年が変わり、中田にも待望の初トップ。
・菅原がシーズン通じてトップラス麻雀を貫徹。大事な場面でトップをもぎ取り、ビーストのアイコンとしてチームに大きく貢献。

簡単に振り返ってみても、苦しさ、楽しさ、悔しさ、色々な感情が詰まったシーズンだったと言える。
来季に向けて、オフの間にチームが成長を遂げ、期待を裏切る進化したビーストを見せてほしい。
選手の皆様、本当にお疲れ様でした!

来季は照れずにビーストポーズを決める!

セミファイナルでは風林火山が台風の目となるか

先ほどのビーストとのポイント差にもあるように、終盤戦の風林火山は圧勝であった。
Mリーグ放送の中でも、松が瀬の復調がクローズアップされがちであるが、もちろんその影響も無視できないのだが、私には自信に満ちた勝又のプレーがすごく印象的に映った。

最終日の初戦に登板した勝又は、堂々とトップをとり、セミファイナル進出はほぼ確実というポジションになった。前日にはパイレーツ・鈴木優が連投連勝で暫定MVPとなり、その挑戦権は勝又しかおらず、ファンのみならずチームメイトからも期待されていたことだろう。インタビュアーのまつかよからも、「いってる意味わかりますよね」との前置いたうえでMVP争いへの意識を勝又に尋ねる。この時点ですでに2戦目への連投が藤沢監督から告げられていたそうである。その時に勝又から出た第一声が、

「優勝したいので!」

おもわず鳥肌が立つほど、勝又らしい一言だと思った。
おそらく、すべてのMリーガーがチームのポイントを最優先においた上で、それを伸ばすために自分のポイントを伸ばすという思考をとっているはず。
しかし、終盤も終盤、ましてやチームからも個人賞が期待されているこの場面でも、まだチーム最優先の姿勢を崩さないところに、Mリーガー勝又の矜持を感じた。
ここまでチームプレーに徹する軍師を抱える風林火山がセミファイナルで活躍しないわけがない。

個人を捨てて、2着を堅守するのが勝又イズム

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