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92歳 三石巌のどうぞお先に 21

三石巌が1994年から産経新聞に掲載していた「92歳 三石巌のどうぞお先に」の記事を掲載させたいただきます。(全49回)


効果を実証

足首の捻挫の痛みを忘れていた

 今週は、スカベンジャー(電子ドロボー=活性酸素をしまつしてくれる掃除屋)のご利益を一席。
 ボクは勉強会をもっている。自宅のやつは『偶然と必然』の講義でオープンだ。だれがきたって歓迎する。学士会館(東京)のやつはオープンじゃない。
 昨年のある日の朝、学士会館へいくために門をでた。そのとたんに階段をふみはずして足首をひねった。ギクッときた。
 門の扉がくさってあぶなくなったので、前の日にアルミの門にとりかえたのがまずかった。扉の位置がかわったし、またぐこともいらなくなった。かってがちがったせいで、ヘマがおきたんだ。
 ボクは、朝食にスカベンジャーもやっている。だから平気でタクシーにのりこんだ。
 十時から十二時までが勉強の時間だ。なにをやったかおぼえていないが、どうせ健康か栄養のことなんだ。クローンだの散逸構造だのいうようなシャレたことをやるはずがない。
 会議室へ料理をはこんでもらって昼食をとって、かいさんした。ボクは娘と札幌からきたS君といっしょにタクシーで家にかえった。
 そのあとはたぶんS君の質問にこたえて時をすごしたのだろう。S君は質問魔なのだ。それだけ熱心だ。かれはその夜はボクの家にとまることになっていた。夕食をやらなければならん。
 夕食はYというそば屋でやることになった。S君をくわえて娘一家と車にのりこんだ。こんどはぶじに門を通過した。
 Yについて車をおりるとき異変がおきた。右足首がいたいんだ。柱につかまって足をひきずりながらざしきにすわった。
かえりの車にたどりつくまで、ボクはS君の肩に手をかけていた。かかとを下につけるととびあがるほどいたいんだ。
 家についてからはますますひどい。ふろをやめて、げんかんからベッドに直行だ。こうなっては一人前のけが人だ。
 ボクはスカベンジャーをのんでねてしまった。八時までぐらいだったろう。
 よく朝、ボクはいつものとおりベッドをおりた。足の痛みはこれっぱかしもない。まったくふつうに歩けるんだ。捻挫の自覚は一時間ほどですんだってことだ。
 この経験からぼくのスカベンジャーの有動時間を十時間ほどとみつもった。

三石理論研究所


三石巌
1901年 東京都出身
東京大学理学部物理学科、同工学部大学院卒。
日大、慶大、武蔵大、津田塾大、清泉女子大の教授を歴任。
理科全般にわたる教科書や子供の科学読み物から専門書にいたる著作は300冊余。
1982年 81歳の時、自身の栄養学を実践するために起業を決意し、株式会社メグビーを設立。
1997年 95歳で亡くなるまで講演・執筆活動による啓発につとめ、
生涯現役を全うした。


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