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『告白水平線』

”落としの松っさん”こと松崎刑事は、いつも容疑者を連れ出しては罪を認めさせてくる。
あるとき、私は松っさんにどうやって落としているのかと聞いてみた。
松っさんはただ一言「ついてこい」とだけ言った。
連れてこられたのは海だった。
岩場の断崖絶壁。松っさんは海を指差した。
「坂上、見ろ。あれは告白水平線だ。2時間刑事ドラマなんかで崖に追い詰められた犯人がベラベラと自分の罪を告白する。その元ネタがここだ。ここに来ると皆不思議と腹を割りたくなる」
いつになく松っさんは饒舌だ。それは松っさんの言うことが真実だという証しでもあった。
「なんで私にそれを?」
「坂上、俺はもうすぐ引退だ。だから、若いやつに引き継ごいで欲しいと思ったんだ。”落としの松”の秘密を告白して、な」


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