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音楽レビュー: 5 Seconds of Summer 『5SOS5』後編


さて今回は一つ前の記事からスタートした

5 Seconds of Summer5SOS5』(2022)

のアルバムレビュー後編になります。

前編(基本情報とM-1からM-9までのレビュー)がまだの方はコチラからどうぞ。

5 Seconds of Summer『5SOS』(2022)

レビュー

M-10: BLENDER

本作より4つ目のシングル。
ベースとボーカルから始まるアップテンポな曲。
最近のトレンドをきっちり押さえてる感じ。
雰囲気でいうとThe Kid LAROIの『STAY feat. Justin Bieber』に近いかも。
ちなみにSTAYを書いたのは歌手のCharlie Puthで、彼は前作にて『Easier』を5SOSに提供してる。チャーリー恐るべしヒットメーカー…
(Charlie Puthの新譜も近いうちレビュー予定)

M-11: Caramel

今作はなんとなく前半にキャッチーな曲、後半に落ち着いたタイプの曲という振り分けな気がする。(その為シングル曲も前半に偏ってる)
この曲もミドルテンポだがイントロのギターリフには後述の記念シングル曲『2011』に通じるものを感じる。
が、やはり少し地味な印象。
まあでも通して聴くならこの辺りで箸休め的な曲も必要なので全然アリ。

M-12: Best Friends

後半は落ち着いてるって言った側から申し訳なくなる程キャッチーで楽しい曲。
特にBメロの歌メロが日本人好みというか、聴き馴染みあるような感じ。
2番では久々にマイケルのボーカルパートが聴けるのも👍🏻
歌詞も親友との友情を謳った超絶ポジティブソング。
筆者の大大大好きなBUMP OF CHICKENの楽曲『アカシア』に似た歌詞の世界観。
いやぁ、友情って本当にいいもんですねぇ〜
(CV:水野晴郎)

M-13: Bleach

最近のスローな地味曲って印象が強い。
歌詞の内容も結局何が言いたいの?って感じ。
終わり方もラストにドーンと来るか?!って時にサッ…って不完全燃焼に終わる。
3分ジャストなのにとてつもなく長く感じる。
まあでも2番Aメロの左右から聴こえるアコギは良い音。

M-14: Red Line

3rdアルバム収録のヒット曲『Want You Back』と『Youngblood』のハイブリッドみたいな一曲。
てかこの曲だけ当時書いたんじゃないか?って疑うレベル。
単体で聴いたら凄くかっこいいんだけど、
過去曲も知ってるとヒット狙って焼き増ししたろ?ってなる。
ホント曲自体はかっこいい。

M-15: Moodswings

アコースティックなバラード。
筆者はこのようなカリッとしたアコギの音が大好き。
1番はギター 、ベース、ピアノと効果音メイン。ドラムはキックとスネアの縁を叩くだけのパーカッション的な使い方。
(2番から恐らく打ち込みのビートが入る)
シングルのB面っぽい。
知名度低いけど5SOSはカップリングに名曲が多い気がする(例:Wherever You AreThe Only Reason等)
安定感からか一応ルークがメインボーカリストだけど、個人的にはマイケルの声が好きだからこの曲はハモリの音量が大きくて良い。

M-16: Flatline

嫌い。M-8と同じ理由。捨て曲。

何故かYouTubeの再生数はシングル曲除いたら今作で一番。謎。

M-17: Emotions

マイケルとカラムがボーカルを務めるとても内省的な曲。
歌詞は暗めだけど、曲調は2010年代ヒットチャートを賑わしてた曲たちを彷彿させる。
あの頃のKaty Perryだったり、
あの頃のBlack Eyed Peasだったり…
当時中学生だった筆者にとって非常に懐かしさを感じる曲。
好きです。

M-18: Bloodhound

バラードじゃないのにイマイチ盛り上がらない曲。地味枠。
アルバム後半は退屈な曲と好みの曲の差が激しいなぁ…
クレジット見たらコーライターが多い為、コロナが落ち着いた頃、アルバム制作後半に出来た曲だと予想。

M-19: TEARS!

本作ラストを飾る曲。
バラードでしっとりか、アップテンポ大円団で〆るか、どっちだー?

正解は…


どちらでもありませんでした。



はい。

クールなミドルテンポ曲。
前作『CALM』の4曲目辺りに入ってそうなベースラインがかっこいい。
なんだかCharlie Puthの『Voicenotes』にも収録されてそうな雰囲気。
でも超ビッグサイズアルバムのラストを飾る曲ではないかなぁ…
クレジットはドラムのアッシュと外部プロデューサー2人の計3人。あと本作唯一のアッシュの単独ボーカル曲でもある。
順番だけ間違えたカッコイイ良曲。


アニバーサリーソング『2011

実は4thアルバム『CALM』と今作からの1stシングル『COMPLETE MESS』がリリースされる間にバンド結成10周年を記念したシングル『2011』が発表されてる。
インタビューによるとリリースはこの曲が先だが、制作自体は『5SOS5』レコーディングのメンバーのみで進めてた前半とコロナが落ち着いてコーライター達が参加した後半の間。

ちなみにこちらは『5SOS5』未収録の為、CD化はされておらず、現在YouTubeにあるMVとSpotify、Apple Music等のストリーミングサービスでのみ視聴可能。

曲は落ち着いた雰囲気から徐々に歪んだギターや生ドラムが参加してきて、最終的に大爆発する。
特に映像版の方は終盤アッシュの暴れ狂うドラムに圧倒される。そして燃え尽きるメンバー。

5 Seconds of Summer『2011』(2021)

結成10周年を祝うアニバーサリーソングな筈なのに、なぜか
「あの頃はよかったなあ…」とか
「何も気にせずにただ楽しめたあの頃に戻りたいなあ…」
って憂いてるような内容。
大丈夫か?

ちなみにYouTubeの公式ページには1時間超えの記念番組がアップされてる。
内容はメンバーへの個別インタビュー、メンバー同士で結成秘話、思い出のライブハウス凱旋、代表曲の別アレンジ演奏、秘蔵映像とか。
『2011』のMVもこの番組から切り取ったもの。
間に挟まれるメンバーによるCMやスキット(ショートコントのようなもの)が面白い。


まとめ&感想

1stではその頃にしか出せない初期衝動。
2ndではアイドルからの脱却。
3rdではメンバー全員成人し、私生活でも様々な経験を積んで影の部分を表現。
4thではよりディープな音楽からの影響を取り入れ、さらにダークな音と詩の世界観を打ち出した
5 Seconds of Summer。

今回5thは暗いトンネルを抜けた先にある解放感のような久々のノンコンセプトアルバム。
リリース時期も海外ではすっかり外出自粛期間やマスク生活も終わった2022年という事もあり、とてもリラックス、のびのびした雰囲気が感じられる楽曲が多い印象。

M-2やM-17、2011のような内省的だったりノスタルジーに浸った歌詞もあるけど、メンバーの結婚やうつ病を乗り越え、精神的にも安定した為か、聴いてて晴れやかな気分になるアルバム。

しかし19曲は多いかなあ…
M-8とかM-16のような曲は削ってもいい気がする
どうしても途中箸休めを越えてダレちゃう
ましてや一曲3分前後、アルバム曲数減少の傾向が著しい昨今、集中力が続かないファンが続出するのでは…?

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