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学習用端末の個人情報扱いに関する不備について

2024/3/13、読売新聞より学習用端末における子どもの個人情報扱いに関する自治体の不備を伝える記事が掲載された。

 小中学生に1人1台配備された学習用端末を巡り、読売新聞が東京23区や政令市など74自治体に、子供の個人情報を守るため、情報の利用目的を定めているか取材したところ、2割強の17自治体が「定めていない」と答えた。他の多くの自治体でも、利用目的が曖昧なケースが目立った。情報保護が不十分だと商業利用される懸念もあり、文部科学省は自治体の対応状況を調査する方針だ。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240312-OYT1T50237/

改正個人情報保護法が昨年4月に施行された。その際、自治体が個人情報を取得する場合は、利用目的を具体的に定め、本人に知らせるよう義務づけられているのに、それに対する対応が追いついていないという指摘。一部の自治体について、データ収集の目的が明確に定められていないことや、収集されたデータのプライバシーに関する懸念が指摘されている。

それでは改正個人情報保護法の対応ポイントを確認しよう。
以下のサイトには以下の点が挙げられている。この中で自治体の子どもの個人情報に関わるのは、一番最初の「利用目的の特定」が該当するようだ。

  • 利用目的の特定

  • 外国の法制度調査(外的環境の把握・相当措置・情報提供)

  • 漏えい等の発生時の対応

  • Cookie関係の規制

  • 仮名加工情報の共同利用

冒頭の記事から1週間後の3/30、文科省が全教育委員会を調査することが報じられた。

あわせて文科省は、3/29、個人情報を含む教育データを扱う際の留意事項の改訂版を公表している。
文部科学省:教育データの利活用に係る留意事項のポイント(改訂版)

教育データの活用は、教育の質向上に大きく貢献する可能性を秘めている。一方で、同時に個人情報の保護という重要な課題も存在する。今回の問題は、改正された法律への対応の遅れという手続き的な問題だが、透明性と説明責任という意味において、利用目的を明確にし、利用者へ分かりやすく説明することは重要だろう。


教育・IT関係の情報、時々一人旅の記録や日々の出来事など発信。最近は生成AIにハマっているのでそっち系多め。地方在住。読書好き。犬と猫を飼っています。