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教科書検定。デジタル対応とデジタル教科書の行方。

教科書検定とは、民間で著作・編集された図書について、文部科学大臣が、教育課程基準及び教科用図書検定基準に適合しているかどうかを審査するものとのこと。
2025年度から中学校で使用される教科書の検定結果が3/22公表された。

 文部科学省は22日、中学校で2025年度から使用される教科書の検定結果を公表した。児童生徒に1人1台の情報端末を配る「GIGAスクール構想」の下、ほぼ全ての教科書に、ウェブサイトに接続して動画などを視聴できる2次元コード(QRコード)が掲載された。各教科書会社はリンク先のデジタル教材を充実させるなど、対応を加速させている。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024032200835&g=soc

紙の教科書に、動画などのデジタルコンテンツにリンクするQRコードを盛り込む動きが活発化しているとのこと。紙の教科書からもデジタルの活用が広がっているようだ。

現場教員は動画コンテンツを重視
 「授業を担当する先生たちからは、動画コンテンツの充実を求める声が圧倒的に多かった」
 今回、中学校の英語の教科書を刷新した開隆堂出版編集第一部の吉田隆一部長はこう語る。現場の教員たちが動画を重視するのは、デジタル教科書の導入に伴い、学び方が変わってきたからだ。以前は音声を聞いて会話内容を想像させたり、絵や写真を使って紙芝居形式で導入したりとしていたものが、動画を含めたデジタル教材を活用すればより分かりやすく教えられる。
【中略】
デジタル教材「充実させていくしかない」
 デジタル教材を重視する姿勢は他の出版社も同じだ。
 同じく中学校の英語を取り扱っている啓林館は今回の改訂で、QRコードの掲載数を大幅に増やした。現行版では1~3年生で計115カ所だったものを、今回の改訂にあたって計230カ所に倍増させた。デジタル教材の数も、現行版の約3倍にあたる計711点に充実。また、現行版のデジタル教材は音声だけだったが、今回は教科書本文の内容を音声で流しながらアニメーションで表現したり、文法について動画で解説したりとコンテンツの幅も広げた。

 担当者は「英語はデジタル教科書が100%導入されており、教科書から飛ばすコンテンツも教科書の一部と考えて充実させていくしかない」と話す。その上で「今後はどんな動画コンテンツを準備するかという議論が先にあって、それに合わせて紙面はどうしていくかという方向になってくる」と、教科書の作り方そのものが変わっていくとの見方を示した。

https://www.kyobun.co.jp/article/2024032202

そういえば、デジタル教科書の本格導入は、2024年度に予定されていたはず。たしか英語のデジタル教科書が先行導入され、その後、段階的に他の教科にも導入が進められることになっていた。その動きはどうか?

学習者用デジタル教科書、整備率が87.4%に急増
 文部科学省は2023年9月13日、2022年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果の速報値を公表した。学習者用デジタル教科書整備率は、前年度の36.1%から87.4%に急増した。義務教育学校が100%、小中学校が99.1%であった一方、高等学校は11.1%にとどまった。

https://reseed.resemom.jp/article/2023/09/14/7207.html

デジタル教科書の導入は、高校に遅れは目立つものの、全体的に進んでいるようだ。整備率と実際の活用率はまた違うのかもしれないが。
ただ今回の検定のように、当面は紙との併用が続くのだろう。
紙には紙の良さがあり、デジタルにも良さはある。
ネットワークなどの環境面は整えつつ、子どもや先生にとって最適な環境を提案していければと思う。

教育・IT関係の情報、時々一人旅の記録や日々の出来事など発信。最近は生成AIにハマっているのでそっち系多め。地方在住。読書好き。犬と猫を飼っています。