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雄琴神社

 仁寿元年に雄琴を拝領した小槻氏が創建したと伝わる古社です。雄琴の街を見下ろす位置にある立派なお社です。
 雄琴と申しますと、たいへん古くからの温泉地でありますが、戦後からでしょうか、どうにも風俗地の印象が強くなってしまったようで、私も小さいころからそのような話を人から聞くことが多かったのですがその実は古色の著き景勝の土地なのであります。
 雄琴の坂を登りますと、しだいに湖がよく見えてきます。お宮の手前には福領寺というお寺があり、円仁の作と伝わる重要文化財の阿弥陀如来坐像がまします。その脇のもう少し登ったところに雄琴神社は鎮座しておわします。
 小槻氏の祖である今雄宿禰をお祀りしますが、雄琴社の草創は小槻氏の到来よりなお古く、その時代は今雄宿禰ではない他の神を崇じていたようです。じつに苗鹿もそうですが、雄琴の土地はとても古くからの土地であります。
 社殿は近年改まり、あたらしい木が匂やかです。お参りをすませて振り返り、やや下りますと鳥居から遠く琵琶湖のたおやかな水面がよく見えます。はるか対岸には近江富士ともよばれる神山、三上山がよく見え、湖国の春を待ち望んでいるのでありました。
 雄琴神社には駐車場があるようですが、道が狭く急峻ですから駅から歩かれたほうがよいかもしれません。もうすこし南に下られると雄琴温泉観光公園があり、無料の駐車場あり、無料で足湯が入れます。
 

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