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ハンガーゲームは今だから観る






聞きたいことがある




「どんな女が好みだ?」




そう、タッパとケツのデカい女…

虎杖の発言により再注目したのは

何を隠そうジェニファーローレンスだ

彼女の大出世作品にしてメガヒット映画である

「ハンガーゲーム」を今一度鑑賞するに至った


大ヒットした原作小説3部作の映像化

1作目の監督はゲイリーロス

その後の全作品はフランシスローレンスが手がけた

通しで観ればわかるが…

うん、毛色が違う作風だと気づくだろう

しかし、主要キャストを変えなかったのは

大正義であったと思う

裏側での大きなトラブルがなかったのだろうが

シリーズを通して違和感なく楽しめる


内容?あらすじ?…それは要らないっしょ?

そのへんは端折るとして

3部作とはいうが最後の作品は2つに分けてあって

都合4本の映画となるんだけど

さすがはフランシスローレンス監督

中弛みなんてないね

イッキに観ても無問題



さて、我らがモッキングジェイこと

カットニスエヴァディーンを演じ切ったジェニファー

1作目から2作目になると

見た目がまるで違うw

相当いじったか鍛え抜いたのか

面構えが極端に違うんだけど(スタイルも)

それも物語にリンクしていて違和感ない

素朴な田舎娘からgirls on fireとなるわけだし

戦う女の美しさを存分に発揮してるねぇ…

まるで未来世紀ジャンヌダルクってな具合

そしてなんといっても彼女の暗さよ

背負った業の深さに蝕まれる心を食い止めながら

悪夢のような現実を享受して前に進む姿は

まさに「そこに痺れる憧れるぅー」だ

もうね、あのブローチめっちゃ欲しいものリストに

完全にエントリーされましたw


そうそう、共演者たちはクセ強すぎる面々

彼らの演技あっての完成度ではないかと思う

言うに及ばず

ドナルドサザーランド御大

いやぁ〜な奴やらせたら何人たりとも敵わん

それでもね、バックドラフトの時みたくさ

敵対する相手に対してなんかこう…愛情?

違うな…成長を促してるような?

いや、イカれてんだけどね

どこかまともな?それも違うか…

純粋なのかも知れないと思わせる瞬間があって

まぁ〜彼以外には出来んと思う


そしてこのシリーズに欠かせない存在は

ウッディハレルソンが最高

チャラい酔っぱらい加減が絶妙な味わいで

それでいて策士でもあって

カットニスの支えになっていたり

頼れるんだかなんだかわからないフワッとした

素晴らしい演技に脱帽だ

ただ決める時はビシッと決めるところなんて

カッコいいやらなんやら…


そうそう、彼女の存在は欠かせない

エフィ役を演じたエリザベスバンクス

なんともド派手な衣装や髪型で現れる

貧しい各地区を廻りハンガーゲーム出場者を選ぶ

そのコントラストで世界観が理解できる

涙もろい彼女の存在がとても素晴らしかった



ファイナル2本に登場するジュリアンムーアもまた

ヤバさ全開の存在感

反乱軍のトップを貫禄たっぷりに魅せてくれる

カットニスと全く心が通じない空気感が

なんとも言えない緊張感を醸し出してた


醸し出すと言えば

シリーズ1と2に登場するレニクラ

カットニスの着る衣装デザイナーとして現れる

なんとなくブルースリーの敵みたいな風貌で

オサレ感たっぷりに演じていてなんだか良かった


ファイナル2本に登場したゲームメーカー

ヘブンズビー役としてフィリップシーモアホフマン

彼の存在も強力なアクセントになっている

アクが強すぎて敵だか味方だか見当もつかない

残念ながらフィリップ本人は故人となってしまった






それはそうと

ハンガーゲームとは言うものの

ファイナルに至ってはバトルロイヤルさえもない

百姓一揆のような展開なんだが

カットニスを革命のシンボルとして担ぎあげ

プロモーション映像なんてものを作っては

各エリアの士気を高めていたり

すっかりカットニスはアジテーターとなっていた

ファイナルに見られるのが

スノー大統領演じるドナルドサザーランドが

カットニスたちを殺戮の罠で追い詰めていく中

謎のクリーチャーに襲われるんだけど

抵抗虚しく1人づつやられてしまうのね

その時カットニスは容赦ないのよ

爆発する矢を仲間もろともぶっ放すんだ

ハンガーゲームで無意味に戦わされた際に

他の地区代表者をやっちまった苦しみを

ずっと引きずってたにもかかわらずだ

その潔さには惚れ惚れする他ないね






それにしてもカットニスの持つ天運というか

生き抜くチカラ?

いや、まぁ物語だし主人公だし当然なんだが

マーベルヒーローやDCコミックヒーローじゃなし

特技は弓なんだけど

それも人間離れしたものではなくて

ガッツリ生身の狩猟娘なわけよ

そのことがなによりも

抑圧されて虐げられた人々の胸を打つわけで…

カットニスの熱弁に

僕も思わず三本指を立てていたりする






さて、彼女の持つサバイバル特性には

単に山育ちだけの影響ではない

勘の良さ、危機を察知する本能、決断や判断の速度

そして何よりも他者との繋がり

コミュ力の話ではなく

関わらずにいられない人間力というか

放って置けない存在感というか

それこそ生まれ持ったセンスとかギフトとか

いわゆるカリスマ性か?…いや、違うな…

きっとそれは「頼ること」かも知れない


誰かに頼ることは存外難しいもので

阻害するのは自身のプライド?

知らないところで皆が皆

何かに頼って生きてるのは間違いない

それは人だけに限らず

制度や仕組み、法律、環境、文化、社会…

己の存在を証明することさえ難しい一個人は

ありとあらゆるところで頼って生きてる

災害や事故、事件などに遭遇して初めて

そういったことに気がつく事もある


現代は何が起こっても不思議ではない

溢れかえる情報の海から様々な事実が打ち上がる

それらを知った上でも誰にも止められない

悪夢は続く

カットニスエヴァディーンの生き残るチカラを

少しでも見習いたいものだ






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