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新たな作品が公開されたからって前作を…マッドマックス怒りのデスロード


ちょいとばかし隙間時間で
映画でも観ようかと

ネットで検索したところで
観たことあるもの選んでしまうクセがある

知ってるだけに気が楽ってのもある
けれどそれだけじゃない
全ての場面を記憶してはいないから
前回気づかない事も気がついたり
楽しみ方は色々

ってなわけで
鋼鉄と炎とV8エンジン
ガソリン香るヤバい作品
「マッドマックス怒りのデスロード」

いやぁ〜なんといっても
世界観がヤバい

メルギブ主演のマッドマックスとは
また違った激しさがあって素敵。

昔のマッドマックスもそれはそれはヤバい…
いや、衝撃的だった
時代の影響もかなりあったろうが
何というかサスペンスチックな感じ?


愛するものを奪われた警官のマックスが
その復讐に身を投じるんだけど
激情に駆られた衝動的な怒りとは違う
底無しの果てしない怒りを宿したような
腰にぶら下げた散弾がいつぶっ放されるか
わからないほどの気迫?
ともかく、
メルギブの名演が光る作品だった

北斗の拳のイメージソースだと
言われれば納得でしょ?
(短くぶった斬った散弾銃はジャギか…)





さて、本作だが…

マックスを見事に演じたトム・ハーディは
メルギブとはまた違った意味で
ハードな男の何するかわからない怖さを
醸し出していて実にカッコいい

フュリオサ演ずるシャーリーズ・セロンは
完璧だ。このキャスティング以外あり得ない
と思えるほどハマる
超絶美女の義手、丸坊主&黒塗りメイクは
圧巻の存在感

そしてニコラス・ホルトが演じた
ニュークスはこの作品では主役を食う勢い
迫力たっぷりに魅せてくれる
白塗りスキンヘッドほぼ裸って
白虎社か!ってツッコミたくなる

さらに強烈なキャラ
イモータンジョーを快演したのは
ヒュー・キース・バーン
彼は2020年に故人となったが
この作品に大いなる意義をもたらした
最高の役者といって過言ではない
インド出身のオーストラリアの俳優
彼がレジェンド俳優なのは
1974年の作品「マッドストーン」
1979年の作品「マッドマックス」
それぞれに出演している事からわかる
マッドストーンはそもそも
マッドマックスのストーリー、設定の原型だ
その両作品に出演しての本作出演
なんともレジェンドじやあないか
そう、彼なくしてこの作品は成立しない
まぁ、監督ジョージ・ミラーが
再び彼を起用したことも凄いんだけどね




内容はさておき
ビジュアル的にぶっ飛んだもんが満載なんだ
どデカいモンスターカーの荷台に積み上がる
アホほどデカいアンプの前に鎖で吊られ
ギターを爆音で掻き鳴らすキャラとか
(コイツ戦闘に要る?的なw)
ギターネックのヘッドが火炎放射器になっていたりするイカれっぷり
うーむ意味わからんがヤバいw

或いは領主達がイモータンジョーと共闘するんだけどクセ強すぎて…
人喰い男爵やら武器将軍やら
いずれもオーストラリアの名優が演じていて
それぞれのビジュアルがめっちゃヤバいw

またサウンドトラックは
ジャンキーXLが担当しているんだけど
めちゃくちゃカッコいい

何処をとってもお腹いっぱいになる事
間違いない




↓こっから先はネタバレモード↓



と、まぁバイオレンスアクション映画だから
エログロナンセンス当たり前の
終末的作品ではあるものの
(エロ?…そっちはないかな…)

ほんのりと人の心を描いていたりする所は
見逃せないポイント

独裁者イモータンジョーの元で
大隊長を務めるフュリオサは
ジョーの子を産み続けるために
囚われている女たちを救う機会を狙って
ついにトンズラを決行する

向かう先は緑の大地
フュリオサの故郷
そこには仲間がいて家族がいて
穏やかに暮らす人々がいると信じていた

トラックのタイヤが埋まる湿地帯
イカれた将軍(中ボス?)の猛攻を交わし
その先へ向かうと
吊り下げられた女が救助を求め叫んでる
助けに行くと…
引っかかったなボンクラが!と
バイクを駆る連中にエンカウントする
しかし
フュリオサを見るや一転
皆メットやゴーグルを外す…
なんと同郷のオバハンばっかしだ(おっと失言)
ともかく、再会を喜んだ
だが、同郷人たちとの再会は
故郷を失ってしまった事を意味する
崩れ落ちるように膝をつくフュリオサ

希望は消え失せた

そんな中で
バイクの旅に出ようと決意
持てる荷物を積み込んで
皆で走り続けてみようではないかと
マックスにも話を持ちかけた

マックスは「だが断る!」(言ってない)
そしてある提案を示す
戻れば水も石油も家もあると…
それはイモータンジョー軍団との
戦いを意味する

悩んだフュリオサだったが
戦いを選んだ、いや選ばざるを得なかった
このまま走り続けても
どこまで行こうが同じ…何もない…
行き先は一つしかなかった

そして引き返す中で激しい戦闘
仲間も次々にやられていく

僕がこの作品の中で特に好きなシーン
フュリオサの仲間達は
自分たちの中から犠牲者が出ると
あるジェスチャーをするんだけど
それがね
なんというか…グッとくるんですよ

空中に何かを掴んだような仕草のあとに
左胸にその拳を当てるんだ

宗教的なことを除外して
魂の結びつきを表現するのは難易度高い

しかし、フュリオサの仲間達が
その鎮魂のジェスチャーを行う事で
ある種の深い繋がりを感じさせられる
めっちゃいいシーンなんです

そしてついに
独裁者をやっつける…
支配する暴力と抵抗する暴力
この対立構造はバイオレンス映画の基本だ
ヒーローものだろうがギャングものだろうが
ぜーんぶこの構図
実際現実の世界でも変わらないけどね…
(ま、ここまで鮮明に見えやしないけど)
いずれにせよ抗う暴力を是とする感性は
人間の本質的或いは原理的なのかも…

おやおや話が逸れてしまったではないか

そう、ついにイモータンジョーをぶっ倒し
戻ってきたマックス一行は
群衆の前に現れてイモータンジョーの亡骸を
晒すと同時に自分達の成果であることを
知らしめる
支配者サイドの連中は
まさに多勢に無勢
このままマックス達と対立する意味はなく
(群衆も敵となるし)
砦を明け渡すことになる

大量の水が滝のように流れ
人々が歓喜の声を上げる
自由をもたらした功労者であるフュリオサ達
迫り上がる人力エレベーターに皆で乗る
フュリオサを称える賞賛の声が鳴り響く
しかしそばにマックスはいない
群衆に紛れフュリオサを見ていた
同時に彼女もマックスに気づいて
互いに目を合わせる
マックスは
「良かったな」と言わんばかりの表情で
わずかに会釈をした
フュリオサはマックスを見つめ
何かをやり切った表情をして
頷いたようで頷いていないような
ほんとに微妙な表情の変化を見せたすぐ後
登りゆく方向へ視線を向け
暗転となり物語は幕を閉じる

何度観てもこのシーンだけは
シビレまくる
最高にクールなラストシーンだ

このシーン観るために何度も観てる






そしてまた
メル・ギブソンのマッドマックスシリーズを
今一度観たくなる
ボンネットから飛び出すエンジン
とんでもない速度で死ぬほど長いハイウェイ
爆走しまくるあのぶっ飛んだ世界
筋肉ホッケーマスク
赤モヒカン
ティナターナー
ブーメランのガキンチョ
どろっどろの犬
一人乗りのヘリチョッパー
ああ懐かしい
片足が動かないマックスが
金属のアームみたいなので固定して
歩く旅カッシャンカッシャン鳴るのが
妙にカッコいいとか思ってたなぁ…









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