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【自己紹介】企業研修講師という仕事に行き着いた理由

しばらくnoteから遠のいていましたが、書くことがやっぱり好きなので、ここからまた再開したいと思います。

改めまして、はじめまして。

現在外資系企業、IT企業を中心に企業研修講師の川島雪子(かわしまゆきこ)です。高2息子、中2娘の母でもあり、妻でもあります。

「企業研修の講師って一体何をするの?」

自己紹介をする度に聞かれるこの問いに対して、私なりに表現するとしたら、こんな文章になるのかな、と。

「ご受講者が、組織やチームで働くことを通じて自分の望みや願い、そして組織やチームの目的/ゴールを実現するための後押しをすること。」

私自身、数年前の40歳までは、外資系IT企業で働く一社員でした。今思うと人が集う「組織」というフィールドで、個々が実現したい様々なWantsをフェアにぶつけ合いながら、チームで得たい成果をつかみに行ける、そんな恵まれた環境で、自由に存分に成長させて頂きました。

そして、それに加えて恵まれていたのは、上司の存在。何か「これを実現したいからこれをやりたい」と言えば「いいじゃん、やれば?応援するよ。」と言ってあれこれ言わずに見守ってくれる。そして目的/ゴールに向かう最中、困ったことがあれば全力で支援してくれる、場合によっては他部署としっかり対峙してくれる。そんな本当にシンプルだけど、愛情あふれる、部下への敬意を感じる上司に恵まれて、本当にありがたかったなぁと、

書きながら色んなかつての上司の笑顔が思い浮かびます。

外資系の「実力主義/成果主義の文化」、そして前例のないITという業界特有の「とやかく言わず、思いついたらまずやってみる企業カルチャー」、そして上記のような上司の存在。これらは今様々な組織や企業で研修をさせていただいていて、改めて社員が成長できる環境のための大切な条件だな、と感じます。

そんな、組織で自由奔放に働いてきた私がなぜ今、企業研修講師をしているのか、私の経歴、体験を踏まえて書いてみたいと思います。

「起きることはすべて正しい」の法則

外資系IT企業でのセールスやマーケティングの仕事は私にとって水があったようで、文字通り思うがままに、自由にやりたいことをやらせていただきながら、日々充実感に溢れたものでした。2人の子供を抱えながらも海外出張にも行かせていただいたし、チームで成果をあげることにやりがいを感じていました。

ただし、今だから分かる大切な『ある視点』が欠けていて、まさにそれに気づかせてもらったきっかけが、当時小学生だった息子の不登校という出来事でした。その出来事を通じてきっと「後半の人生を生きる上で、あなたは『今』それに気づくべきだよ」というどこかからのメッセージだったのでしょう。

仕事で成果をあげることに邁進し、家に帰ってもPCにかじりつきながら、何とか仕事も家庭も両立せねば、と頑張っていた私には、本当に大切な、守るべきものである家族(夫、子供たち)を守る方法が分からなかったのかもしれません。常に頭の中はTo doのタスクで忙しく、わさわさしていました。「マルチタスクこそ神」、と信じて常に一歩先のタスクを見据えて行動するがゆえに、目の前の「今ここにいる大切な人」をしっかり観れていなかったとも言えるでしょう。まさにもう一人の、自分を客観視できる自分を見失っていました。「私は頑張っているんだから」「私は~」って。

そんな、自分を温かく見守る視点が欠けているからこそ、相手の置かれている情況を想像する視点が欠けているからこそ、日々の家族との会話はTo doのタスクベース。

良く言いませんか?「あれやった?」「これやりなさい!」「なんでこれやってないの?」「塾の宿題は?」「なんでまだゴミ捨ててくれていないの?」まさにそれです(笑)今思えば、家庭ではそんな会話が多かったです。

会社というフィールドでは、To doのタスクベースの会話だけで成立しても(※厳密には成立しないです。To doだけで会話していると、成果主義特有のコンフリクトが起きたり、人を「切る(クビにする)」だったり、「あいつは仕事ができない」という言葉だったりが、飛び交うようになり、離職者が出たり、最終的にはチーム不和となりボスが責任を問われて追い出されたりすることも起こり得ます。)家庭では成立しない。様々な形で親子関係やパートナーシップに影響が出てくるわけです。

本来家庭って、それぞれにとってホームベース(安全基地)のような存在であるべきなのに、家族で幸せに生きるために日々過ごしているのに、思い返すと最後の方は家庭が戦場のようになっていました。家事も子育ても仕事もと抱え込んでいた私は(抱え込まねばならぬ、と手放す許可を与えられていなかった)「私は仕事も家事も忙しいんだから。」と必死でした。

最も身近な大切な家族を一人守れないことに、心底絶望した私は、外資系IT企業での忙しくも充実した日々にピリオドを打つことになり、ゼロから新たな道を模索し始めることになります。

結局緩んで、色んな執着を手放した結果、出会えた新たな道

息子との関係を良くするためにと、自らのコミュニケーション力を磨くためにコーチングやメンタリング、心理学や脳科学、本質行動学を学びながらも、会社組織で長年勤めてきた私は、人脈もない、コネもない、ノウハウもない中、ゼロから何をしたら良いのか、不安な日々をしばらく過ごしました。組織で鍛えてきた「成果をあげねばならぬ」は「どうやって稼ぐ?」「私は一体何を実現したいんだ?」という「問い」となって自らを追い込み、『男性性』をフルに発揮して何とか今置かれている状況から何とか抜けようと「問題解決」をしようと頑張っていました。

家族との時間を大切にするためにゼロリセットしたのに。「まー、のんびり行くか」と半ば達観し、他にも色んな選択肢を考えてみよう、もういいや、と自分自身を緩め、しばらくのんびりしようかなーと始めた時にふと目に入ってきた、ある企業研修講師の育成講座の案内との出会い。

結果的にこれが、企業研修講師としての道のスタートでした。

「女性性」と男性性」を使い分けて幸せに成果をあげる

18年間、組織で新入社員から中堅社員、チームのリーダー、と様々な立場を経験してきたことと、国籍、年齢、性別の多様なダイバーシティーに富む環境で働いてきたこと、自らのへぼかったコミュニケーションを磨き直そうと後から得た実践スキルが良い「掛け算」となったこと。

そして昔から自分の中に確実にあった「人と心で繋がりたい」「多様な人と言葉で様々な想いを交わしながら、得たい感情を共有したい」という内なる女性らしい思い、言うなれば『女性性」が顕在化してきたこと。

これらが良かったのでしょう。今では売り込むことなく、ご紹介や信頼できる企業研修会社とのご縁で、組織で鍛え抜いた「ロジカルシンキング」や、新卒・若手社員のやる気を引き出す「育成コミュニケーション」、人を育てる上司としての在り方、など企業が求める一通りのテーマで企業研修講師としてお仕事をさせていただいています。今では一度ご依頼をいただくと、「期待以上の研修だった」ほぼリピートになるレベルにまでなりました。

あなたの内側にある『素材』をフルに生かし、何者かになろうとあくせくするのではなく、自然に、そしてあるがままに、仲間と共に自分&チームで得たいゴールや好影響、理想に向けて進む。

これが私の考える理想の組織での働き方です。

これを大切にしたい、という講師としての「軸」を持って企業の受講者の方々の前に立つので、自分で言うのもなんですが、生まれ持った能力が最大に発揮されている感覚があります。

まさに『女性性』を発揮した場づくりをしながら、そして受講者と感情を分かち合いながら、『男性性』を発揮しながらで受講者の得たいゴールや好影響に向けて、ぐぐぐっと背中を押す、フィードバックする、情報提供する、こんなことが起きているとでも言えるでしょう。

だから鎧を纏って、「忙しいのに研修なんて受けてらんない」「そんなこと学んだって意味ない」とふんぞり返っている受講者の方がいらっしゃったとしても、最後には自己開示の嵐になり、自らの痛みと向き合い、緩み・・・「本当はこんなことを望んでいるんだ!」って自分の真の望みと対峙する。

こんなことはよく起こります。

そして今。

様々な紆余曲折を経験した今、自分の中にある『女性性(女性らしさ)』と『男性性(だんせいらしさ)』を良いバランスで作用させあいながら、仕事も家庭も、とても心地よいバランスで保てている感覚があります。

子供たちとの関係も、そして仕事と家庭の擦り付け合いをしていた夫との関係も、結婚して22年になりますが、今が一番良いのかもしれません。

昨今の国際事情や社会変化が物語るように、先の読めない変化の激しいこの世の中で幸せに働き、成果をあげていく社員に溢れる組織に必要なことは何なのか。

一昔、いやもはや大昔かも知れない2-30年前の成功法則では立ち行かなくなりつつあることは、言うまでもなく誰しも気づかれていることと思います。

だからこそ、研修の設計、デリバリーに際しては、各社の置かれていた過去、現在、目指す未来(ミッション、ビジョン、バリュー)や、その業界情報を調べつくした上で、どんな気づきと学びを得ていただけたら良いのか、を考え抜き、彼らの過去の歩みを尊重しながらも、求められる別の視点を第三者の立場から提供させていただいています。答えはご受講者の中にあるので、提供するのはあくまでも視点。そこからどう気づきを得て、自らの現場での実践の学びへと繋げて行くかは、ご受講者次第です。

「人は誰しも道半ば。」「今できる最高をつくせ」という、私の研修講師の師の言葉を胸に、これからも組織で働く方々の、そして企業の幸せな未来に向けたお手伝いが出来たらいいな。そして子供たちにも試行錯誤しながら自らの道を探る親の姿を見てもらえたらいいな。そんなことを思う日々です。

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