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母の名は。 第7回・シンシアとフランスのお芋

本日はシンシアとフランスのお芋

フランスのお芋……

いや正直、日本のことでも沼が深くて

外国のじゃがいものことは

全然わからんのだけど

そして、知ろう学ぼうとするには

致命的な語学力不足

日本との違いとか楽しいんだろうけどな~

でも、まあ今知っていることだけご紹介しますね

仏蘭西女学園


セカジャガ 第4回でフランスを取り上げたが、

フランスでもじゃがいもはよく食べられている。

そのため、品種が多くあり、そのうちのいくつかは日本にも入ってきて栽培されている。

特にGERMICOPAという会社が育成した品種が多いようで

2000年代から登録されているフランス品種の

その特徴は

名前がかわいい!!

シンシア

ジョアンナ

シルビア

ドロシー

チェルシー

ロザンナ

女子高ですか!?

エプロンドレスな制服を着て、そばかす三つ編みですか!?

ジェルミコーパ社のサイト見てみると

じゃがいもの写真に顔と足を付けて(つまりじゃがいもを胴体として)る画像が載っているので

やっぱり女の子扱いやん

日本でも「さやか」「はるか」はいるけれど、

なんか人名っぽいほうが愛着がわいて大事に育てやすいのかしら。

リンゴは家族の名前付けちゃうの、よく見たけれど

日本では株式会社ホーブ ジャパンポテト事業部でそういった海外品種を取り扱っているようである。


ボンジュール、シンシア


タイトルでシンシアを特別扱いしたのは

初めて自家栽培したじゃがいも

シンシアちゃん

だからである。

といっても、私が手塩にかけて育てたわけではなく

実家の母上がやっている家庭菜園での話

母上は

花を植えるのは昔から好きだったが

2年前まで野菜を育てることはなかった。

だが、

仕事を引退し、社会人大学の園芸学科で

花だけでなく野菜についても実地で学ぶうち、興味が湧いてきたらしい。

ちょうど、そこにじゃがいもにハマった子(私だ)がちょくちょく帰省しては芋について語る。

ちなみに私は花に興味がないので、母上が一生懸命花について話しても「ふーん」と流していた(ひどい)

だが、野菜(主に芋)については別である。

「センチュウは怖い!」という盛り上がる共通話題があるのだ。

2018年12月は

ひじき「芋はいいぞ。芋やろうぜ」

母上「え~やらないよ~」とか言っていたが

2019年2月には

空き家になっている祖父の土地を耕し

種芋を買いに行っていましたね

芋熱が母上を動かした。

3月以降

毎週のように生育状況が写真付きで報告されてゆく。

はじめてのじゃがいもにシンシアを選んだのは母上の趣味である。

こちらから品種の指定はしていない。


ご両親は「ランディア」と「オーシャイアン」

形は大ぶりの卵型で、凹凸が少なく目も浅いので、皮が剥きやすい。

しっとりなめからかな食感、煮崩れしにくく煮込み料理に向いている。

あっさりしているかと思いきや甘い風味があって、バターやクリームとの相性がいいのもおフランスっぽい。

このファーストポテト・シンシアちゃんは

寒がりなのか40日も芽が出ずに、我々をやきもきさせ


日当たりが悪かったのか、なかなか大きくならず


蕾はできても花は咲かなくて我々をはらはらさせた


結果、職場の朝礼で

(前略)うまくいかなくてもしょうがないねとあきらめそうにもなったのですが、この間の週末についに畑を掘り返してみると八百屋で売っていてもおかしくない立派なじゃがいもが土の中から出てきました。じゃがいもは地上に咲いた花が実になるトマトやナスと違って、掘り返してみるまではうまくできたかどうかパッと見てわかりません。けれど、じゃがいも本来の強さを信じ、途中でやめることなく経過を見ながら工夫をして世話を続けたことが収穫の喜びに繋がりました。仕事にも重なる部分があるかもしれません。(後略)


というスピーチをしたくらいには

おいしくいただくことができた。


朝礼での私のじゃがいもスピーチは4回にわたり、もはや「ビジネスシーンで役立つ芋」についての記事を書こうかと思うくらいだ(やめなさい)

大地の林檎たち


そのほかにも購入して食べたことのあるフランスのお芋について。

【シェリー】


フランスで人気のお芋

つやのある赤い皮で楕円形

収量が多く、ジャガイモシストセンチュウに抵抗性を持っているそうな。

注意としては、加熱してから時間がたつとかたくなるので作り置きには向かないこと。

カレーやポトフは食べきれる量で。

【コロール】


洋ナシ形、こちらもつるんとしている。

黄色い皮と名前がなんかおいしそう。

クリーミーだと聞いていたので、シチュー好きの友人に分け与えたら、甘みもあってばっちりとのこと。

ミルクを混ぜるフランス風のマッシュポテトとかにもよいんだろうな。

口当たりがよくて、メークインよりさらに煮崩れしないのに味がしみこむ性質。

【ディンキー】


赤色の皮の品種はいくつかあるが、

これはシェリーよりも薄茶に近いような淡い赤

長楕円形の見た目にメークイン系かと錯覚するが、ホクホク系。

つまり煮崩れはしやすいけど、ポテトサラダやコロッケ向きだな。

味の主張はあまりないので、いろんな料理に使いやすい。

【サッシー】


いままで紹介したフランスのお芋とちょっと違うのはその見た目。

長楕円形のメークイン系で、目も浅いしつるっとしている子が多かったけど

サッシーは

男爵系なんですな

コロコロだし、目も深いし

皮は厚めで、よくみるとうろこ状になっている部分がある。

肉色は黄色で、火を通すとさらに濃くなる。

でも味は案外あっさり、味付けしやすい。

結構気に入ってフランス芋の中では去年一番リピートした。


作ってもらったポテトサラダ、大変良かった。

もともと

ポテトチップスに加工する用に改良された品種ということで、

湖池屋がオンライン限定で、工場直送チップスを作ったりもしている(もちろん買った)



最高級ジャガイモ


いつか食べてみたいじゃがいもがある。

フランスのノワールムティエ島でだけ栽培されている

「ラ・ボノット/La Bonnotte」というお芋だ。

1㎏で5万円もする、それはそれは高級な食材である。芋界のキャビアじゃん。

なぜそんなに高いのかといえば

小さく柔らかいので収穫などは手作業で行われ、年間の栽培量が少ないから。

第一次世界大戦から第二次世界大戦の間に消えかけたが、ごく一握りの愛好者たちによって栽培が続けられてきた。

海の近くで栽培され、肥料に海藻が加えられるため、海の香りとかすかな塩味がするらしい。

レモンと土の香り、木の実のような複雑な風味もあるらしい。

なにそれおいしそう~。

フランス人は見かけたら争うように買い占めようとする。そんなにすごいのか~。

いつか食べてみたい、あなたはそう思いませんか?

母の名は。バックナンバー

第1回・キタアカリ

第2回・スノーマーチ

第3回・男爵いも

第4回・紅丸

第5回・インカのめざめ

第6回・ノーザンルビーとシャドークイーン


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