誕生日にうんこを漏らした(26歳OL)
うんこを漏らした。それも誕生日に。
26歳になってたったの2時間半で漏らした。
ずっといつか書こうと温めていた「note」を「漏らしきっかけ」で
書くことになるとか思わなかったが、もう書かずにはいられない。
とにかく私は誕生日うんこを漏らしたのだ。
ちなみに今年で26歳だがおむつを外して以来1度も漏らしたことはない。
私のケツの穴は元来優秀なのだ。名誉のためにも先に書いておく。
誕生日が大好きな私は「前夜祭」も楽しもうと前日からはいしゃいでいた。
朝:築地で海鮮丼と雲丹
昼:焼き肉
夜:夫特製のハンバーグ(250g)、苺のショートケーキ(大好き)
これだけ食べた。もう気分は最高、貴族状態である。
夕食後、夫(新婚1年目)と一緒にお風呂に入り「愛れされていること」「新婚の幸せ」を
噛み締めながら暖かい羽毛布団にくるまれ、これ以上にない幸せを感じていた。
しかし、幸せはいつだって突然崩れるものである。
誕生日当日を迎えた深夜2時半。腹痛で目が覚めた。
痛い。とにかくお腹が痛い。布団の上でのたうちまわるぐらい痛い。
目覚めから数分後には、冷や汗が出てきて手先も痺れ、耳鳴りもしだした。
いよいよこれはおかしいと、最後の力を振り絞りトイレへ。
その間も眩暈のようにトイレまでの道がふにゃげ視界が狭まった。
その後は、トイレのドアを開けたところまでは記憶があったのだが、
次に気が付いたときにはトイレの隅で土下座のポーズで漏らしていた。
どうやらゴール(便器)を目前に気を失っていたらしい。
(「下痢」「失神」などのキーワードで調べてみると
「血管迷走神経反射性失神(神経調節性失神/神経反射性失神)」というのに似ているように思う)
嗚呼、悲しいかな、あとちょっと頑張れなかったのだ(まあ、私の人生振り返れば受験にしろなんにしろ「あと1歩」足りないことの連続だった)。
無残にも水様便を垂れ流しているときに「なんだかお尻があったかいな」と感じ、ぼんやりと意識を取り戻した。
「冷たい床」に「あったかいお尻」。
まだはっきりしない意識ではあったが「全て」を悟った。
漏らしたのだと。
誕生日に。
26歳女性のこの私が。
しかし、もうどうすることもできない。
あとは出てくるものを土下座ポーズのまま垂れ流すのみ。
このとき頭に流れたのがビートルズの「Let It Be」。
(結婚式で使用したく何度も聞いていたので記憶に残っていたのか)
れどぅびー、れどぅびー、れどぅびーあーれどぅびー。
なすがままに、なすがままに。
出るがままに、出るがままに。私にできることは出てくるものを垂れ流すだけ。
どうやら単純な下痢だったらしく、ひとしきりだし終わった後は意識もはっきりしてきて「とりあえず便器に腰掛けよう」と思えるまでになった。
土下座ポーズをやめ、腰を浮かせたその瞬間。
うんこ「まだまだおるで~」
第二波だった。
土下座ポーズの時はズボンとお尻は隙間なく密着しており、あまり「実」は出なかった。
それが腰を浮かせたことでできた衣類と体の隙間を狙って、堰を切ったようにうんこが押し寄せてきたのだ。
さっきより勢い、量ともに2倍。
ぶしゃあああああああああああああああああああ。
ちょうどこの第二波の襲撃を食らっている最中に、
異変を感じた夫がトイレ前まで私の様子を伺いに来た。
「大丈夫?」と尋ねる夫に対し、言えたのは「来ないで、来ないで」だけだった。
新婚1年目。
当然、女でいたい。
まだまだセックスもしたい。
彼が愛した私でいたい。
でも、トイレは一面水様便の水たまり。
彼がトイレで読んでいたジョーカー12月号もお亡くなりになられた。
(ダウンジャケットコーナーが気になるって言っていたのにごめんね)
遅かれ早かれ夫には言うときがきてしまう。
そんなことを考えながら、とりあえず糞にまみれたパンツを脱いで便器に座った。
お腹の痛みはすっかり引いていた。
残るは後始末だけ。
うんこズボンをそのまま履くわけにもいかず、
まさかの下半身丸出し(お尻と太ももはうんこまみれ)でリビングへ行き、
リビングで待っていた夫にか細い声で告白。
「あのね、漏らしちゃった」
(あくまで可愛く報告)
夫は「はい?」と聞き返してきたが、
急激な腹痛に襲われたこと、意識を失ったことをぽつりぽつり話すと
お風呂の用意をしてくれた。
私はトイレには絶対に近寄らないことを言い含めて、お風呂に向かった。
つい5時間ほど前はあんなに楽しく夫とお風呂に入ったのに…
なんで今うんこまみれのケツをシャワーしてるんだろうか…
シャワーは温かく心にもしみたし、
ボディーソープは優秀でうんこの臭いもすっかり取れた。
お風呂からあがると夫はまだソファーにいて、携帯で何かを調べており、
私を呼んで「どっちがいい?」と聞く。
見てみると、ユニクロで早くも私がうんこまみれにした寝巻のズボンを購入しようとしてくれていた。嬉しかったしなんだか安心した。
その後、うんこまみれのズボンを捨て、トイレの床を拭き、換気をして長い長いうんこ漏らしの夜は終わった。
もう1度寝ようかとなったとき、夫は「お誕生日おめでとう」と言ってくれた。
色々あったが(主にうんこを漏らした)、結局なんだか幸せな気持ちでまた眠ることができた。
振り返ると、今回の事件は間違いなく、今後の夫婦関係を占う試金石になったと思う。
失ったものはたくさんある。
・お気に入りの寝巻
・パンツ
・便座カバー
・トイレの床を拭いた雑巾
・大量のトイレットペーパー
・ジョーカー12月号
でも、たぶん「家族としての絆」が得られたんだと思う。
私は夫と添い遂げたい。
結局最後は2人とも糞尿を垂れ流すかもしれないのだから、それが少し早かっただけだと思いたい。
これは結婚の、家族の覚悟を問う最初の出来事だったと思いたい。
私がうんこ漏らしを告白できるか。
夫がそれを受け入れ介抱できるか。
私は恥を忍んで夫に助けを求めれたし、夫も言いたいことはあったろうに押し殺して私を介抱してくれた。
なんだか家族になれた気がした。
はっぴばーすでーとぅーみー。
素敵な1年になるといいね。
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