![かもめ食堂](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4205294/rectangle_large_bc5acc29154620efc3c2c203079441cf.jpg?width=1200)
『かもめ食堂』(2006年 日本)
『かもめ食堂』(2006年 日本)
監督 荻上直子 主演 小林聡美
《あらすじ》
フィンランドの街で小さな食堂を営む日本人のサチエ。興味はあるものの、
なかなか食堂の中に入ってはくれないシャイなフィンランドの人たち。
ある日、ひょんなことから日本人観光客のみどりと出会い、食堂を手伝ってもらうことになる。
《感想》遠い異国の地で女性がたった一人で食堂を営む、というだけでも十分心細いのに、端から見ているだけでも心配になるくらい全くお客さんが来ないかもめ食堂。
遠い異国の地で女性がたった一人で食堂を営む、というだけでも十分心細いのに、端から見ているだけでも心配になるくらい全くお客さんが来ないかもめ食堂。
もし私が同じ状況に立ったなら、きっとミドリと同じように現地の人の好みに合わせようとしたり、ガイドブックに載せてもらおうとしたりジタバタと迷走して自分を見失ってしまうだろうと思います。
でも、サチエは「まじめにやっていればきっとわかってもらえる。ダメならその時はやめればいい。でもきっと大丈夫」とピシっとした姿勢で言い切ります。
「でもなかなかそんな風にはできないよね」と、流行や評判を気にしてふらふらしてしまいがちな私に、この作品は「やりたいことをやるには、やりたくないことはやらないだけ」だと、そのコツをシンプルに示してくれます。
親しくなっても丁寧語を崩さずに“近すぎず遠すぎず”の絶妙な距離感を保っている3人の姿は、いろいろなことを経験し学んできた大人の女性だからこその知恵と賢さがあらわれていて、安心して見ていられるのです。
作品全体を貫く水色と白の清潔で透明なトーンが視覚的にも心地よく、何度見ても飽きない作品です。
群ようこさんの原作を読むと、登場人物の細かい背景などがわかるので、小説と映画両方で楽しむのがおすすめです。
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