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映画『銀平町シネマブルース』、映画っていいですね。

『銀平町シネマブルース』を観てきました。
 
映画を愛する、愛すべき人たちの群像劇です。今も現役の川越スカラ座がロケで使用されたそう。

観客もそれこそ映画好きが集まったのか、劇場は終始笑いに包まれいい雰囲気でしたよ。2つとなりに座っていたロン毛のお爺さんと笑いのタイミングが重なるたび「映画終わったらこりゃハイタッチか」と思う程、場の空気が暖かくてホント素敵な体験でした(お爺さんはエンドロールのタイミングでスッといなくなりましたが)

こんな映画を作った監督城定秀夫、脚本いまむらしんじは、ハイペースでコンスタントに映画を撮り続けている監督さん達でもあります。城定監督の作品は毎度毎度の安定感で、もはやわたしの中では「安心印の城定秀夫」となっております。

そして彼の作品の常連となりつつある中島歩、宇野祥平さんが今回もいい味出してまして、中島歩さんは『よだかの片想い』では映画監督、今回は二枚目、でも挙動がちょいキモ可愛い、売れない役者役でしたね。いやー目が全く離せなかった。彼が何かやらかしてくれる、そんな「中島歩待ち」みたいにわたしなってましたから。

なんといってもこのnoteで言及すること最多、宇野祥平さんは映画好きのホームレスという役で全く違和感がないというか、溢れ出すオーラというか。完璧な役作りをみせてくれました。

そう、キャストがみんな良かったです。
ハスキーボイスが素敵なシンガー・ソングライター藤原さくらさんと日高七海さんの姉妹のような息のあったやり取りは絶妙でしたし、2022年に亡くなった渡辺裕之さんと小出恵介さんがトランペット流れるなかワルツを踊る姿がとても映画的。なんだかジーンときました。

この映画に出てくる人々は、皆、映画に取りつかれていて、お金は無いけれど、映画が好きでなんかとか生きている。映画ってやっぱりすごい力を持っているんです。老若男女が年齢や性別を忘れて分け隔てなく繋がれるって改めて素敵だなぁと思いました。他にそんなものってあるかなぁ。劇場を後にしながら、良い映画を観たなと心から思いました。

映画っていいですよね。映画っていいもんですよ。ほんとうに。合掌。

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