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かしましかしましまし Vol.12(藤居)  ~愚か者になろう!〜 Part III

昨夜はTwitter沸いてましたね。ぼくもしっかり興奮してたクチで、色々やってたこと放棄してさっきまで原作読み返してました。そうです!「チェンソーマン」です!

昨日チェンソーマンのアニメ制作を請け負う、アニメーション制作会社の「MAPPA」が設立10周年を祝してイベントを開催してたみたいで、その場で1番の目玉としてチェンソーマンのティーザー映像第一弾が発表されたのです。


ぼくはリアルタイムにその配信を見てたわけじゃなくて、後からタイムラインで知ってその動画を見てみたんですが、正直良作の予感が凄まじいです。

チェンソーマンといえばスピード感だと思うんですが、PV見る限りではキャラの動き方とかもヌルヌルで完全にMAPPAの十八番芸炸裂してます。心配なさそうですというかめちゃめちゃいいカップリングだと思います。そんでマキマさんや早川くんとかシリアスに決めるシーンが多いキャラは特に、この画力で見てみたいという気持ちがありますね。原作はもちろん藤本先生の意図するところではあると思うのですが、やはりちょっと気になる部分も多かったですからね......

MAPPAってアニメ見る人なら最近よく目にするんじゃないですかね。ぼくも名前自体はもちろん知ってたのですが最近のことはわからなかったのでちょっと調べてみました。そしたら驚いたんですが「進撃の巨人」も「呪術廻戦」もこの会社だったんですね!個人的には「さらざんまい」とか「残響のテロル」とかのイメージが強かったんですが、近頃こんなビッグタイトルまで食い込んでいたとは......

そんなこんなで完結して以来のチェンソーマンを読み返してたのですが、やっぱりエログロだけじゃないですよねぇ。いろんなサブカルからの引用がデンジの成長劇としてのニュアンスを補強しつつそのナードさも作品自体の重要なフックになってるというか。勝手な予想なんですが、多分この作品に惹かれた人ってキャラが可愛いとかスピーディで刺激的 !とか血がいっぱい出てる!とか様々理由があるとは思うんですが、もう一つ大きな要因としてはやっぱこの直接的なサブカルへのアプローチなんじゃないですかねえ。

引用とかオマージュって、音楽でも映画でもそうですけどやり方によって180度評価が変わりますよね。ベタベタ過ぎるとサムいし、かと言って元ネタがマニアックすぎたりしても大衆には気づいてもらえないし楽しくないです。

ただちょうどその作品のメインターゲット層のハードルを僅かに飛び越えるようなバランスの引用ができた場合は、一気に作中のオマージュ探しだったり作者の見識への興味だったりと、受け手を引き込む機会を得られると思います。例えば最近だと日本の「ART-SCHOOL」というバンドの曲を聴いていたんですが、これNirvanaじゃね?と思って調べてみるともうリフとかメロディとか実はオマージュしまくりバンドだったみたいで...。でもぼくは逆に、こんなバンドからも引用してたのか!みたいな関心の方が強くなっちゃってやっぱやり方が鮮やかであるならば、間違いなくファンかどうかとか関係なく受け手にとっては好印象なことだと思いましたね。

こんなことを言いつつぼくはこういうやり方がまだ苦手で、曲や歌詞作ってるときも一応既存のものから軽く引用してみたりとか試すんですが、クッセ〜!ってなっちゃっていつも没になります。自分のことになるとこういう塩梅がわからなくなるのはあるあるでしょうか...

というわけで前々回から歌詞解説をやらせてもらっている我々Filmlandの新曲、「Get Stupid」には特にオマージュは含まれておりませんが、今回も元気に続きから解説再開させてもらおうかと思う次第です。(つなぎがメチャクチャですみません。)

前回はBメロの解説までし終えられたかと思います。Aメロの「駆け抜けていく日々」に対して「爽快なくらいに置いてけぼりの季節感覚」という言葉で改めて形容するという、結構曲中でもわかりやすいというか丁寧にぼくの感覚を綴れた部分かなと思います。

そしていよいよサビ!

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この歌詞は個人的にサビのアレンジの雰囲気とマッチしてる感じがしていて気に入っております。そして今回一番歌詞の感想をいただけた部分でもあります。(ありがとうございます!)

ただ「季節感覚」というのはそう言った文字通りの季節感だけを表しているのではなく、世の中の流行や、周りの環境の変化も言い含んでいます。
(かしましかしましまし Vol.11(藤居)  ~愚か者になろう!〜 Part II)

以前このように書いたのですが、このサビの歌詞も上記のイメージを濃く受け継いだものとなっています。

世間の「季節感覚」(駆け抜けていく日々)に対して「置いてけぼり」に感じているぼくはBメロで解説したように、気持ちや今立っている場所が「不安定」になっていきます。

ぼくがしてきたことやしていることはあくまで「環境」の中で育まれ「環境」の中に還って行くものです。なのでぼくを置き去りに駆け抜けていく「季節感」は、そのようなぼくの生活に不安定をもたらします。
(かしましかしましまし Vol.11(藤居)  ~愚か者になろう!〜 Part II)

こんな状態の中で、このサビはまさに一旦立ち止まってみよう!という意識的なペースダウンを歌っています。

「目に映らなくなる僕らの痕跡」というのは先ほど解説した「不安定」の産物によるものですね。環境に依存するぼくはスピードアップしていく「季節感覚」のなかで自分のやってきたことや思いまでも見失ってしまいかねませんでした。例えば今はこれが売れる!とかこうすればバズる!とかそういうものの見方にしんどくなってしまうこととか。もちろんこれらはある程度売れるためには必要なアプローチやしまだまだ甘えているのもわかってはいるんですがね...

そういう心境の時にサビの歌詞を考えていたのですが、テンポを半分に落とすアレンジを聴いているうちになんとなくポジティブな風にここから考え方を転換できそうな気がしてきたのです。

早く次へ!とにかく先へ!新しいものを!!というような「日々」に対してふっと力が抜けた瞬間でした。




ありがとうございます、今回も肝心なところで続きは次回、とさせていただきます。

読んでいただきありがとうございました!

今週も一週間頑張っていきましょう!チェンソーマンとともに!

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