フィルム・コミッション直送便(59)【日本アカデミー賞】

2021年3月19日、第44回日本アカデミー賞が開催されました。コロナウイルスの影響で邦画の公開作品数は506本と過去最多だった2019年の689本より183本減りました。そのような状況で日本アカデミー賞に輝いた作品はフィルム・コミッションの支援作品でした。
最優秀作品賞の「ミッドナイトスワン」は深谷フィルムコミッションが撮影支援。優秀作品賞の「浅田家」は千葉県フィルムコミッションが撮影支援。「男はつらいよ おかえり 寅さん」は鳥取県フィルムコミッションが撮影支援。「罪の声」は岡山県フィルムコミッション協議会が撮影支援。「Fukushima50」は諏訪圏フィルムコミッションが撮影支援しました。同じFCとして、受賞は我がことのように嬉しく、撮影にFCは欠かせない証拠と思いました。

受賞作品の中で印象的だったのが、広大なオープンセットを組んだFukushima50です。先日もテレビで放映されたのでご覧になった方も多いと思いますが、撮影を支援した諏訪圏FCによると、撮影は2020年11月25日から11月30日まで行われ、オープンセットは「福島第一原発内の津波後をリアルに再現」を目的に、諏訪市内の旧東洋バルヴ工場跡地に約1ヶ月かけて作られました。私は2020年8月に行われたJFCのイベントで旧東洋バルヴ工場跡地を訪れたのですが、当時の様子をパネルなど拝見し、撮影もさることながら、準備などの大変さも感じ取りました。地域への直接効果は2100万円以上と報告されています。

その他、最優秀主演女優賞を受賞した長澤まさみさん主演の「マザー」は、千葉県フィルムコミッションが支援し、「糸」は、札幌フィルムコミッションが支援しました。「朝が来る」は広島フィルムコミッション「一度、死んでみた」は、なごや・ロケーション・ナビが支援しました。このように支援作品が受賞などの評価を受けることは、フィルムコミッションの評価にも繋がり、モチベーションもあがります。

長澤まさみさんは受賞に際し「本当にたくさんの方に支えられなければ、映画づくりはできないんだなと、去年、身にしみて感じました。」と語り「きっと本当は作りたかった映画も、去年、作れなかった人たちもたくさんいると思います。そして映画も公開できず、先延ばしになっている人たちもたくさんいると思います。」と続けました。
この言葉はFCにも響きました。常に作品と寄り添うFCでありたいと思った他、支援作品をFCは地域の活性にどう役立てることができるか?「ロケ地ツアー」や「ロケ地マップ」以外にも可能性はあると信じています。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/


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